<プロ野球ドラフト会議>◇25日

 楽天がドラフト1位で高校生NO・1左腕を引き当てた。東福岡の森雄大投手(3年)を、広島との競合の末、交渉権を獲得した。

 楽天立花陽三社長(41)が当たりクジを手にガッツポーズした瞬間、緊張しっぱなしだった森に白い歯がこぼれた。「楽天からの指名は、まったくイメージしていませんでした」と思わぬ高評価に驚いた。

 甲子園には出場していないが、最速148キロの直球を投げ込むチェン(元中日、現オリオールズ)のような本格派左腕で、12球団から調査書が届いていた。「気迫を前面に押し出す投球をしたい」と、田中や星野監督のようにマウンドでほえる投手を目指す。

 星野監督に対し森は「阪神(の監督)時代に怒っているイメージがあります」。怒られるかも?

 の問いにも「覚悟してます。厳しくしていただきたい」と前を向いた。「楽天は若い選手も出てきて、今実力をつけているチーム。(同じ左腕の)塩見さんの制球と球のキレを目標にしたい」と、胸が高まる。女手一つで育ててきた母貴恵子さん(48)に「楽をさせてあげたい」と活躍を誓う18歳は、釜田のように1年目からの活躍を誓った。【石橋隆雄】