日本ハムからドラフト1位で指名された花巻東・大谷翔平投手(18)が今日9日、日本ハム入りを正式に表明する。会見同席が決まっている栗山英樹監督(51)は8日、札幌市内でのトークショーに参加。球団が譲渡を提示している背番号11について、「ダルビッシュっていうイメージじゃない」と、大エースを引き継ぐのではなく、大谷自身の番号として確立させることを期待。“ダル超え”を掲げ、あらためてスケールの大きさを示した。

 期待の大きさが、言葉の端々からにじみ出た。大谷本人の日本ハム入り正式表明を翌日に控え、「どういう答えなのか球団は聞いていない」と話した栗山監督だが、「来てくれたら大谷君の将来の夢を果たすために、頑張っていくしかない」と、“そのとき”を心待ちにしている。

 最速160キロをマークする剛腕でありながら、高校通算56本塁打の超高校級スラッガー。「エース兼任4番」を目指し、投打両面で育てることを決めている球団は、昨年までダルビッシュがつけた背番号11を譲渡することをすでに提示している。日本ハムで6年連続2ケタ勝利、5年連続防御率1点台を記録した大エースだが、栗山監督は「ダルビッシュっていうイメージじゃない。いい日旅立ちっていうか、(大谷にとって)いい番号になる。ずっとそう言われていくと思う」と、ダルビッシュの影を断ち切り、「11=大谷」の確立を期待した。

 メジャー挑戦を明かしたドラフト直前の10月21日から49日目。日本ハム入りを正式表明することで、翻意に関して批判を受ける可能性もある。栗山監督は「悪いのは指名したオレ。オレが非を受けるべき。とことん謝り尽くす」と、盾となる覚悟を決めている。そのうえで「ああいう(実力を持った)若い子が出てくるのは楽しみ。夢のある選手をつくるのは使命。大谷、がんばれという空気をつくってあげてほしい」と訴えた。

 この日は「食育」をテーマにしたトークショーに参加し、プロ級の腕前でもある料理の話に表情をゆるめた。「昔は料理番組もやっていたし、けっこううまいんだよ。ピェンロー鍋は評判がよかった」。もともとは取材者としてその実力にほれ込んでいた大器が、いよいよチームメートへ。将来性抜群の球界の至宝を、どう“料理”していくのか。栗山監督の本当の仕事は、今日9日の会見からスタートすると言ってもいい。【本間翼】