5年越しの夢成就へ。あす24日のプロ野球ドラフト会議で、国学院大の188センチ右腕、杉浦稔大(としひろ)投手(4年=帯広大谷)が上位候補として注目が集まる。高校時代にもプロ志望届を提出したが指名漏れ。国学院大では昨季から投手陣の軸として、東都大学リーグ1部で通算11勝をマークした。12球団から高評価を得ている最速149キロの逸材が、運命の時を待つ。

 期待高まる1日がやってくる。22日、横浜市内の国学院大グラウンドで練習した杉浦は「自分を必要としてくれる球団ならどこでも」と、明日に迫ったドラフト会議を見据えている。既に12球団から届いた調査書をすべて提出済み。指名を受ければ全球団OKの立場を表明し、5年越しの指名を待っている。

 帯広大谷3年時に、エースとして同校初の北北海道大会決勝進出に導いた。プロ入りを夢見てプロ志望届を提出したが、声は掛からず進学。成長を遂げた大学では東北、仙台育英の監督として有名な竹田利秋総監督(71)と出会い「状況に合ったアドバイスを常にいただけました」。3年秋以降、ワインドアップ投法に切り替えている。

 188センチの恵まれた素材で、高校時代の最速137キロから149キロにアップ。球持ちが良く、長い腕をしならせたスライダーなど変化球も高く評価されている。今秋の東都リーグでは、ここまで防御率3・66と不調で評価を落とし気味だが、将来性も含め上位候補には違いない。巨人、広島、ソフトバンク、オリックスなどが特に熱心だ。

 国学院大の鳥山泰孝監督(38)は「杉浦が下級生のころからほとんどの球団が注目して見ていただいています。当日までいろいろ動きがあると感じています」と話した。複数球団が1位候補に挙げる桐光学園・松井、九州共立大・大瀬良、JR東日本・吉田の指名状況次第で、外れ1位も含め上位指名がありそうな情勢だ。

 今も投球フォームで模索中の杉浦は「これからも自分を高めていきたい」と前を向く。今日23日からは大学最後のリーグ2連戦、中大戦(神宮)が行われる。高校時代にかなわなかったプロ入りへ、長身右腕が指名を心待ちにしている。

 ◆杉浦稔大(すぎうら・としひろ)1992年(平4)2月25日、帯広市生まれ。野球は帯広広陽小3年から啓西マリナーズで始め、帯広西陵中では軟式、投手。帯広大谷高では1年春からベンチ入り。3年夏に北北海道大会準優勝も甲子園経験なし。国学院大では3年春にエースとして2部優勝、入れ替え戦で2勝して1部復帰に貢献。今夏の日米大学野球の日本代表メンバーに選出された。家族は両親と姉、弟2人、妹。弟大斗(ひろと)さんは帯広大谷の主将として今夏の甲子園に出場し、選手宣誓も行った。188センチ、82キロ。右投げ右打ち。