日本選手権MVPの鉄腕が新人時代の摂津ばりのセットアッパーになる。ソフトバンクからドラフト3位指名された新日鉄住金かずさマジック・岡本健投手(21=神戸国際大付)が11日、千葉・君津市内の新日鉄住金君津社内で指名あいさつを受けた。

 社会人では先発も抑えもこなしたが「ピンチで出て抑えた時の喜びが魅力ですね」とリリーフ登板を好む。先月24日にドラフト指名を受けた後の日本選手権では初戦先発も、準決勝と決勝は抑えで登板し胴上げ投手に輝いた。夏の都市対抗でも4試合リリーフで投げ4強入りに貢献。連投の2日目の方が、いい球がいくという。

 鈴木秀範監督(42)は「ピンチでも逃げない。マウンドで修正する頭の良さも持っている」。ソフトバンクでは、09年に社会人出身のルーキー摂津が中継ぎで70試合投げ勝利の方程式に入った。摂津も修正能力が高く、常に安定感を保つ。「摂津さんは制球がすばらしいし、変化球などいろいろ聞いてみたい」と岡本は目を輝かせる。

 新日鉄住金君津では工場内の道路のラインなどをペンキで塗る仕事をしていた。プロでは「中継ぎ」として自らの進む道を描いていく。【石橋隆雄】

 ◆岡本健(おかもと・けん)1992年(平4)10月29日、兵庫・姫路市生まれ。豊富小4年から軟式野球を始め、豊富中では軟式野球部。神戸国際大付では1年秋からエース。3年春にセンバツ出場。11年から新日鉄住金かずさマジックでプレー。持ち球は最速147キロの直球とカーブ、スライダー、チェンジアップ。右投げ右打ち。177センチ、84キロ。血液型O。