ベテランに引導を渡せ!?

 阪神ドラフト4位の福岡大・梅野隆太郎捕手(22=福岡工大城東)が22日、福岡市内で入団交渉を行い仮契約を結んだ。契約金5000万円、年俸840万円。今季チーム最多112試合に出場した正捕手藤井彰への“刺客”とする球団の期待に応える覚悟だ。

 担当の田中秀太スカウトが藤井彰人捕手(37)に電話し「お前、今年でやめていいから」と冗談で告げた。守備はもちろん、大学日本代表で4番を務めた梅野への期待の表れだ。正捕手への「挑戦状」を背負わされ、梅野は「打てる捕手としての注目、期待に応えたい」と奮い立った。

 ドラフトでは大学日本代表で正捕手を争った立正大・吉田がロッテ2位、亜大・嶺井がDeNA3位と上位指名され、自身の4位指名が歯がゆかった。今春、九州共立大との練習試合では広島ドラフト1位の大瀬良を2ランを含む4打数3安打と打ち込んだ意地もある。「(元阪神)城島さんの右打者としての打撃、(巨人)阿部さんの打撃センス、長打力に近づけるようになりたい」。打力を兼ね備えた捕手として、大成してみせる。【菊川光一】

 ◆梅野隆太郎(うめの・りゅうたろう)1991年(平3)6月17日、福岡県生まれ。福岡工大城東では2年夏の県大会ベスト8が最高。3年時に3番を打ち、阪神中谷が4番。高校通算25本塁打。大学通算28本塁打。11月の明治神宮大会は初戦敗退も本塁打を放った。遠投115メートル。173センチ、80キロ。右投げ右打ち。