巨人は22日、東京・大手町の球団事務所でスカウト会議を行い、智弁学園・岡本和真内野手(3年)を1位指名の筆頭候補に定めた。原辰徳監督(56)も加わり約3時間、映像を確認しながら討論した。仮に抽選となろうとも、奈良の怪童を断固、引き当てる。

 討論の熱そのままに、原監督が切り出した。「命は下されました。くじになった場合、私が引けと。明日の午後4時30分くらいになったら、覚悟を決める。ツメだけは掃除して、右手で引きます。パッ!

 とね」と予行演習を決めた。抽選は覚悟している。「あの緊張をね、みんなにも味わってほしいね」と見渡した。巨人の未来を託すにふさわしい、高校NO・1スラッガーを引き当てる。

 将来性豊かな岡本と、即戦力右腕の早大・有原。会議では、甲乙付けがたい2人について検討した。岡本は高校通算73本塁打の長打力に加え、柔らかなリストターンを駆使した確実性も兼備する。映像を何度も確認し、スケールの大きさにほれ込み、最上位に結論づけ、会議に臨む。

 原監督らしく、晴れの日を迎える野球人に敬意を表した。「ドラフトは、アマチュアにとって夢、あこがれの世界。そこに対して土足でずかずか、は避けるべき」と、名前を挙げることは粋じゃないと強調した。「明日、集合して決めましょうと。5時15分に決める」と従来のスタンスを貫いた。選手と同じ真っさらな気持ちで良縁をつかむ。

 支配下の指名は、4選手程度を予定している。投手に野手、即戦力に素材。偏りなくリストアップしている。山下スカウト部長は、他球団の動向について「(読みが)難しいが、基本的には左右されない。流れによって、いいドラフトをしたい」。まずは原監督が、右手で「交渉権確定」を引き当てる。