竜のノムさんで名を売るぞ!

 中日ドラフト1位の三菱日立パワーシステムズ横浜・野村亮介投手(21=静清)が24日、横浜市内の同社で中田スカウト部長らから指名あいさつを受けた。最速149キロ右腕の愛称は「ノム」や「ノムさん」。プロでも継続を熱望する21歳のノムさんは、日本代表として出場する「21Uワールドカップ」(11月・台湾)で大活躍し、手土産の金メダル獲得を約束した。

 野村とくれば、やはりこのニックネームか。中日から1位指名のあいさつを受けた野村が照れ笑いで明かした。「同期や先輩からはノム、後輩からはノムさんと呼ばれることが多いですね」。ただし球界で「ノムさん」と言えば野村克也氏の代名詞。だが平成5年生まれの21歳は「みなさんに気軽に呼んでもらえるとうれしいです」と臆することなく継続を熱望した。

 知名度は“本家”にかなわないが、プロ入り前に名を売る絶好の機会が訪れる。11月に日本代表で出場する台湾での「21U

 W杯」だ。「まだ僕のことを知らない人も多いと思うので活躍して知ってもらいたい」。同じく選ばれた同一リーグのライバル、阪神1位の新日鉄住金鹿島・横山雄哉投手(20=山形中央)とは早くも先発争いで火花。「優勝できるように働きたい」と金メダルの手土産を約束した。

 ずぶとさもある。ドラフト指名された23日の夜、スカウトの携帯を借りた谷繁兼任監督から激励の直電を受けたが、何と“放置”したという。「取材とかで忙しくて出られなかったんです。掛け直したらもう監督は帰られたと…」。さらに「もし監督の出したサインが投げたい球と違えば?」の問いには、困りながらも「勇気を出して首を振ってみたいと思います」と言った。

 谷繁監督がV奪回の即戦力と期待する竜のノムさん。「1年目から2桁勝ちたい」。球史に名を刻む本家超えに乞うご期待だ。【松井清員】

 ◆野村亮介(のむら・りょうすけ)1993年(平5)7月9日、静岡市生まれ。小1から野球を始める。静清で11年のセンバツに出場。1回戦京都成章、2回戦日大三戦でいずれも3失点完投。家族は両親と兄2人。187センチ、85キロ。右投げ右打ち。