巨人ドラフト2位の日大・戸根千明投手(22)が名実ともにビッグ左腕を目指す。17日、都内ホテルで入団交渉を行い、契約金7000万円、年俸1200万円で仮契約。背番号50は槙原、吉村、駒田の50番トリオの出世番号にあやかった。「槙原さんのように50番台から出世街道を歩んでほしいと(球団に)言われました。そういう道を歩めれば」と堂々と受け止めた。

 肉体もビッグだ。ダルビッシュも契約するジムに入り、脂肪を減らし2キロ減に成功。それでも173センチ、91キロ、胸囲115センチの体格は、メジャーのビッグ左腕に例えられる。「チームメートからサバシアと言われます。相手からも『今日のサバシア、荒れているな!』と」。2メートル、130キロの208勝左腕の和製は存在しなかったが、大きな理想型を追う。

 サイズは規格外だが、意外な弱点も露呈した。「高所と閉所がダメです。ここから落ちたらケガをすると思うと…」。会見場は東京ドームを見下ろせる42階だったが、ガラスの外をのぞくと笑顔が引きつった。「マウンドの高さがいいですね。打者を見下ろせるので。チャンスがあれば先発でも中継ぎでもやります」。マッチョ系左腕が巨人の一員になる。