日本ハムが誇る「セレブの間」がドラフト1位の早大・有原航平投手(22=広陵)ら来季の新人に開放される方向性であることが19日、判明した。2軍本拠地の千葉・鎌ケ谷の勇翔寮で、バラエティーに富んだ今ドラフト指名9選手の受け入れ態勢の検討をスタート。スター選手の斎藤が使用していた501号室、中田の502号室は今季まで、あえて「該当者なし」で空室としていたが、将来の主力候補と呼び声高い逸材がそろう来年、割り当てる方向で最終調整に入った。

 知る人ぞ知るパワースポットの封印を破る。満を持して、豊作とされる新人勢に粋な計らいだ。2軍関係者は「ようやくあの2部屋を使ってもらうことになると思います」と含み笑いだ。斎藤が12年限りで退寮してから2年間、温めてきた501号室は早大の後輩にあたる有原が有力。結婚を機に12年1月に中田が明け渡した502号は、タイプが似通った高校生スラッガーへ。2位の九州国際大付・清水優心(ゆうし)捕手(18)らが有力候補とみられる。

 大切に紡いできた「部屋神話」を踏襲する。現在も404号を使用する大谷は、背番号「11」とともにダルビッシュから引き継ぎ、大成の芽を出した。たかが部屋割りだが、されど部屋割り。ちょっぴり謎めいたゲンかつぎだが「ふさわしい選手に」(球団関係者)と、軽視してこなかったルーティンだ。次代を背負う9人の新顔は今日20日、北海道入り。翌日の新人入団発表へ備える。有原を含む2選手には、ついに禁を解く。じっくり寝かせ、温めてきたスター選手になるための「モデルルーム」が贈呈される。【高山通史】