日本ハム糸井嘉男外野手(28)が26日、札幌市内の球団事務所で契約更改交渉に臨み1800万円から233%の大幅増となる6000万円(推定)で更改した。野手転向4年目の今季、ベストナインやゴールデングラブ賞を獲得するなど大ブレーク。査定ポイントの理解に四苦八苦しながらも、提示額には単純明快な一発サインで決めた。

 晴れやかな表情の糸井が、“らしさ”全開で交渉を振り返った。「なんか、(査定内容の)紙を見せられたんですけど、内容がよくわからなかったです。とりあえず、球団からは評価してると言われました」。4200万円の大幅増を勝ち取ったが、複雑な査定ポイントは理解できなかった。

 査定内容を確認中は球団幹部が席を外すのが通例。多くの選手は簡単に目を通すだけで済ますが、糸井は何分たっても査定表とにらめっこした。しびれを切らした島田チーム統轄本部長が部屋に入ってしまうほどだった。入念にチェックしたにもかかわらず「守備とか攻撃とかが分かれてて何だか分かりませんでした」と天然ぶりを発揮した。

 今季は131試合に出場し打率3割6厘。15本塁打。58打点をマークし、24盗塁も決めた。初出場のオールスターでは一流選手のプレーを間近で体感した。入団3年目に投手から打者に転向しており「投手で入って野手になったときは1軍が目標だった。活躍できるなんて想像もしていなかった」と喜びを口にした。

 目指すはトリプルスリー。3割30本30盗塁を具体的な目標に掲げる。「まだまだ遠い数字なんですけど、できるように頑張りたいです。(特に)来季は盗塁を増やしたいです」とさらなるレベルアップを図り、チームの日本一を目指す。