今季三塁の定位置を確保し、2年ぶりのリーグ制覇に貢献した日本ハム小谷野栄一内野手(29)が8日、札幌市内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、5000万円の大幅増となる推定年俸8600万円でサインした。「5000万円増えて、“ハム”になりました」。一気に大台目前まで跳ね上がり、森本、二岡を飛び越え、野手陣トップクラスの高給取りとなった。

 今季は自己最多となる138試合に出場、初めて規定打席に到達し打率2割9分6厘をマーク。11本塁打、82打点といずれも自己最高成績を挙げた。昨オフに右ひじを手術し不安を抱えていた守備でも、三塁手として好プレーを連発し、初のゴールデングラブ賞も獲得した。島田チーム統轄本部長は「全体的な貢献点が高かった。(守備の査定は)チームで1番に匹敵する」と称賛。小谷野も「守備のことを評価していただいたのがうれしかった」と白い歯を見せた。

 真価を問われる来季に向け、「すべての面においてレベルアップしたい」と言い切った。テーマに掲げる「再出発」の1つが、横浜へトレード移籍した稲田がつけていた「5」への背番号変更になる。06、07年のリーグ連覇時にはセギノールが背負い、他球団では巨人ラミレス、中日和田ら強打者のイメージが強い番号。「自分なんかでいいのかとも思ったけど、新たな気持ちでやりたいと思いました。『5』をいただいたので、サードにもこだわってやっていきたい」。内外野が守れ07年までは外野手登録だったが、ポジションにも強いこだわりを持って取り組む姿勢だ。

 「3年間1軍でやれたので」と、寮生活を卒業して札幌市内に居を構えることも決めた。「新たな自分として挑戦したいです。絶対日本一。それしかないです」。三十路(みそじ)を迎える来季、小谷野の野球人生は次のステップに入る。【本間翼】