WBC日本代表候補の中日大島洋平外野手(27)が、最悪の場合は代表を辞退する可能性が出てきた。古傷の左肘に張りを訴え、4日から別メニュー調整を続けてきたが悪化。7日、精密検査を受けるため、キャンプ地の沖縄・北谷を離れて名古屋に戻った。病院2カ所を回る予定だが、診断次第では、代表の辞退を余儀なくされる。

 事態の深刻さは、話し込む高木監督と大島の表情が物語っていた。練習開始前の外野付近。大島が左肘の状態の悪化を報告し、名古屋に戻って精密検査を受けることが決まった。高木監督は「全然(練習)できないなら、こっちにいても仕方ない」と険しい顔。大島もショックを隠せなかった。「今日と明日、2回(病院に)行きます…」。それだけ話すと練習を取りやめ、キャンプ地を離れた。

 WBC代表候補に思わぬ事態が待ち受けていた。山本代表監督が視察に訪れた4日、古傷の左肘に張りが出た。3日間のノースロー、ノースイングの別メニューで安静に努め、大島も「違和感で大したことはない」と軽傷を強調していた。ところが全体練習に復帰予定のこの日、状況は後退。藤田チーフトレーナーは「昨日までは回復傾向だったが状態はよくない」と厳しい表情で明かした。

 症状は「ネズミがロックした状態」(藤田氏)で投打に影響が出る。つまり、遊離軟骨が関節にはさまって肘が動かない状態。大きな負担がかかっている分、水もたまっているという。同じ症状は昨年8月のシーズン中もあったが、その際は2日間で回復。今回は発症4日目で悪化しており、深刻さがうかがえる。

 15日から行われるWBC代表候補(宮崎)の合宿参加に黄信号がともった。高木監督はWBCへの影響について「検査結果次第だろうし、わからん。水がたまっとるようだし、どれぐらいでやれるかわからん。よくはないでしょ」と困惑を隠せなかった。一方で佐藤球団代表は「本人は出たいと言っている」と心境を代弁する一方で、「吉見のケースと一緒で早めに決めないと代表チームにも迷惑がかかる」と補足。最悪の場合は右肘の不安で辞退したエースに続く、チーム2人目の代表辞退もやむなしとの覚悟を明かした。

 大島は7、8日と、名古屋市内の病院を2カ所回り、MRI(磁気共鳴画像装置)やエコーによる精密検査を受ける。診断次第では、名古屋にとどまって治療に専念する。代表候補に招集したWBC山本監督の構想も、「1番中堅」として頼りにする高木監督の構想も大きく狂ってしまう可能性がある。【松井清員】