【ウエストパームビーチ(米フロリダ州)18日(日本時間19日)=水次祥子】アストロズに移籍した青木宣親外野手(35)が、長距離遠征によるWBC仕上げを直訴した。新天地でメジャー6年目のキャンプイン。今年はWBC、日米通算2000安打にも35本と迫るなど注目度が高いが、青木は「新しいチームに慣れるのも大事だが、WBCのことを考えて動きたい。実戦に近い形での練習をしたい。そのためにオフから自主トレも前倒ししてやってきたんで」と、まずは世界一の奪還に焦点を定めた。

 そのため、新しい指揮官のヒンチ監督に異例のオープン戦出場を申し出た。初戦の25日(同26日)のタイガース戦は272キロの遠征となる。翌26日のブレーブス戦も267キロ離れている。バス移動となるため、通常なら主力選手は参加しない。だが、青木が帰国前に出場できる試合は、この2試合しかない。青木は「初めから試合に出ると。(監督に)出たいということは言いました」と明かした。

 キャンプ初日から練習後に室内ケージで居残り特打をするなど、調整のペースは上がっている。同僚でベネズエラ代表としてWBCに出場するアルテューベとは、大会の話で盛り上がったという。「どこが強いと思うか聞いたら『日本は強いと思う、過去に2回優勝してるんじゃないか』って言ってた」と笑った。

 侍ジャパンで唯一の大リーガー、そして最年長選手として役割は大きい。「周りを知ってるし、周りもたぶん自分のことは分かってくれてるし。そういった中での国際試合は、また今までとは違う気がする」。注目のシーズンに向けて「今年は2000安打もクリアしたいし、やることが山積みのような気がするけど、すべてを達成したい」と、意欲を燃やしていた。