39歳1カ月15日の安美錦と38歳4カ月27日の豪風。関取最年長と2番目の2人が昨年春以来1年半ぶりに幕内の土俵で相まみえた。計77歳6カ月は昭和以降4番目の幕内高齢対決だった。

 豪風は意識していた。過去15勝16敗の安美錦に勝ち逃げは許さないと、ずっと対戦を願い続けていて「すごくワクワクしていた」。

 安美錦はうれしがった。「オレが上がるのを待っていると聞いていた。だから、今日はしっかり当たった」。変化など巧みな技を持つ2人が、小細工なしに立ち合った。結果は長幼の序。年長者がはたき込んだ。

 ここ7場所、幕内最年長の称号は豪風が持っていた。返してもらった安美錦は「向こうも一生懸命、頑張っている。互いに高め合って、いい刺激になればいい。何回でもやってやる。こんなオレを励みにしてもらえればうれしいよ」。豪風は「今まではこわごわと行っていた。負けたけど、怖がらずに立ち向かえた。すごくうれしかった。またすぐにやりたい」と言った。

 亀の甲より年の功-。世代交代の言葉が北風のように迫ろうと、はねのける熱意がある。【今村健人】