「K-1 WORLD GP 2015 ~-70kg初代王座決定トーナメント~」(7月4日、東京・代々木第2体育館、日刊スポーツ新聞社後援)の1回戦で、フランスのディラン・サルバドールと対戦する第3代Krush67kg級王者・牧平圭太がインタビューに応じ、勝利を誓った。

 -まず最初に-70kg初代王座決定トーナメント出場のオファーを受けた時はどんなことを思いましたか?

 牧平 普段は67kgで試合をしていて、階級的に少し上の階級になるので、自分には縁のないものかなと思っていました。それで宮田(充、グッドルーザー代表)さん経由でオファーをいただいて、最後までずっと考えていました。今まで僕はKrushで試合を組んでもらって、チャンピオンにもなることが出来て、負けることもありましたが、1戦1戦、後悔がないんですよね。あの試合は嫌だったというものがなくて、勝って成長できた、負けたけど成長できた、というのがずっと続いています。だから今回のオファーも自分を成長させてくれるものだと思って、出場を決めました。

 -Krushプロデューサーでもあるグッドルーザー宮田代表の存在が後押ししたわけですね

 牧平 あとは賞金もあるので、僕は昨年結婚して将来的には子供も欲しいので、家族のためにという気持ちもあります。僕は勝ってもボロボロになるスタイルで、1つ勝つのがやっとになるかもしれませんが、自分のプライドと身体をかけて、K-1で勝ち上がって少しでも多い賞金を嫁に渡したいです。

 -新生K-1では階級が65kgと70kgで、牧平選手がK-1に出る場合は65kgまで落とすか、70kgまで上げるか。そのどちらかだったと思います

 牧平 どちらの階級にも出られることは出られます……けど、65kgまで体重を落とすのはキツいので、70kgの方が適正だと思います。

 -牧平選手は格闘技をやる上でK-1からどんな影響を受けましたか?

 牧平 実は格闘技を始める前、中学を卒業する頃にK-1の中量級が盛り上がっていて、同じ地元の山本優弥さんもK-1に出ていて『自分もあの場所で輝きたい』と思っていました。それで中学卒業の時、タイムカプセルに入れる手紙に『10年後はK-1選手になって暴れたい』と書いていて、その手紙をたまたま3カ月くらい前に実家から送ってもらったんです。あれから10年たって、このトーナメントに出ることで、K-1選手になるという夢を実現させようと思いました。

 -その手紙を書いたのが格闘技を始める前ということは、ただ漠然と書いた夢だったわけですよね?

 牧平 はい。自分は格闘技をやるまでは何も夢もなく、という感じだったので(苦笑)。

 -K-1出場を悩んでいる時に「K-1選手になって暴れたい」と書いた手紙が出てきて…まさに運命的ですね

 牧平 そうですね。これも決め手になって、縁だなと思いました。

 -牧平選手はK-1をどういう目で見ていたのですか?

 牧平 本当に輝いていましたよね。僕が夢もなく、しょうもない、くすぶった毎日を過ごしていた時にK-1を見て「これしかないな」と思っていました。

 -K-1を見て格闘技をやっていなかったら全く違う人生を送っていたと思いますか?

 牧平 はい。自分が住んでいるのは田舎だったし、自分が輝くような舞台はなかったと思います。

 -いろんな選手が想いを持ってK-1のリングに上がっていると思いますが、牧平選手も実際にK-1出場が決まって不思議な感覚もありますか?

 牧平 本当に不思議ですし、僕のファイトスタイルで優勝するとは断言できないかもしれませんが、間違いなく7月のK-1に自分のプライドと身体をかけたいと思います。

 -今回のK-1参戦で初めて牧平選手の試合を見る人も多いと思います。自分のどこを見て欲しいですか?

 牧平 僕は泥臭くて一般人代表のような選手ですが、諦めなければ夢はかなうんだよということを1人でも多くの人に、僕が戦う姿を通じて見せて行けたらなと思います。

 -牧平選手は決して勝ち続けてきたキャリアではないと思います。それでもKrushでチャンピオンになり、K-1出場にまでたどり着いて、まさに諦めなければ夢がかなう格闘技人生を送っていますよね

 牧平 あとは周りへの感謝です。それを忘れずに1日1日を過ごすということをチャンピオンになってからより強く思うようになりました。

 -1回戦の相手はK-1 WORLD GP -65kg初代王者ゲーオ・フェアテックスにムエタイルールで勝利しているサルバドールです。サルバドールにはどんな印象を持っていますか?

 牧平 すごく強いし、技術もあって天才的なスタイルだなと思います。でもベルトに絡む選手というのはトップの選手ばかりで、そこで僕は今でもベルトを巻いています。だから自分が世界のトップにも通用するところを見せたいし、海外のトップ選手とやりたいと思っていたので、何が何でも1回戦は勝ちたいと思います。

 -ずっと海外の強豪と戦いたいと言ってきた牧平選手なので、この試合に気持ちは高ぶっていますか?

 牧平 はい。僕はいつでも挑戦しかない気がします。

 -牧平選手のK-1 WORLD GP 2015 ~-70kg初代王座決定トーナメント参戦を楽しみにしている人たちにメッセージをいただけますか?

 牧平 諦めなければ夢がかなうというところを一人でも多くの人に見てもらいたいです。あの人が頑張っているんだから自分も頑張ろう。そう思える姿を自分の試合で見せたいと思います。

 ◆牧平圭太(まきひら・けいた) 1988(昭和63)年12月14日、広島県福山市生まれ。25戦15勝(5KO)8敗2分。179センチ。HALEO TOP TEAM所属

 入場料金など詳細および問い合わせは、K-1=http://www.k-1wg.com/へ。