WBC世界ライトフライ級王者木村悠(32=帝拳)が、新兵器で足元を固めて初防衛を狙う。3月4日に京都での同級6位ガニガン・ロペス(34=メキシコ)戦に向け、25日に都内のジムで練習を公開した。メーンを張る先輩王者山中慎介(33)のアドバイスを受け、軽量化、通気性などからメッシュのシューズを新調。2回のスパーリングでも使用して、軽快な足さばきから切れのいいパンチを披露した。

 木村はスパーで好調ぶりを見せた。日本ランカーの後輩を動きよくさばき、シャープな右ストレートへとつなげた。木村が「バッチリいい調整ができている」と言えば、小山トレーナーは「足がよく動いている」と目を細めた。シューズにも秘密があった。

 14年に日本王座獲得後は、毎試合シューズを新調する。昨年の世界初挑戦はサイズが小さく、エナメルのために生地が伸びず、試合に間に合わなかった。今回は山中のアドバイスも参考に、生地をメッシュにした。「50グラムぐらいでも軽くなり、通気性も違い、柔軟性もあって動きやすい。足は命ですから」と話す。

 ガウンは白地に紫ラインが入った前回のものを使う。今回はシューズもトランクスも同じ配色にした。紫はラッキーカラーとアドバイスもされた「大好きな色」という。王者らしくトータルコーディネートし、赤コーナーに上がる。

 作戦は3パターン用意した。「グー、チョキ、パーがあれば、どれかははまる。あとは毎回確かめながら、早く弱点を見つけたい」と、商社マンらしい戦略プラン。「左ボディーで崩して上につなげたい。いい展開なら、倒せる自信はある」と言い切った。

 山中には地元で約3000人の大応援団には負けるが、木村も会社や取引先など約200人が応援に来る。「3月4日の納期にベストに仕上げて」、リングで初防衛という業績アップを披露する。【河合香】