ボクシングのロンドン五輪金メダリスト村田諒太(31=帝拳)が異例ずくめで世界に初挑戦する。3日、WBA世界ミドル級王座決定戦で元世界王者の同級1位アッサン・エンダム(33=フランス)と対戦することを発表。5月20日に東京・有明コロシアムでトリプル世界戦として開催され、興行規模は約5億円。日本の五輪メダリストとして初の世界王者、さらにミドル級で13戦目で戴冠すれば、世界最速(主要4団体で暫定王者のぞく)となる。

 晴れやかな村田がいた。13年4月、プロ転向を宣言してから丸4年。もう1つの頂点に挑む時が来た。「自分が強いか弱いか、自分で証明するチャンス。楽しみにしています」。都内会見場の金びょうぶの前で、スーツ姿の表情が一段と引き締まる。「サポートしてくれた恩恵をしっかり結果で返したい」。勝負の時がやってきた。

 試合の正式決定は前日2日の早朝。先月18日の統一戦で空位となったWBA正規王者戦で、エンダム側と合意に達した。日本人では竹原慎二が巻いたベルトだが、主要4団体(WBA、WBC、IBF、WBO)でも同級の日本人王者は竹原1人。世界戦は村田が5人目、挑戦すら難しい。フランス開催も模索する中で日本開催にこぎつけ、帝拳ジムの本田会長は、ファイトマネーなどを含めた興行規模を「約5億円」と明かした。日本では88、92年に行ったヘビー級王者マイク・タイソンの興行に次ぐ。