「神童」がプロデビュー30連勝を圧勝で飾った。

 那須川天心(19)が日本拳法出身の中村優作(31)とキックボクシングルールで戦い、多彩な技で計4回のダウンを奪い、2回1分42秒TKO勝ちを収めた。

 初回から好戦的に前に出ると、絶妙のカウンターに、伸びやかなキックでリズムをつかむ。鋭い踏み込みを武器にする中村の思いきりの良い飛び込みに「冷や冷やした」と言うが、そのすごさを証明したのは1回終了間際。ワンツーを放ってきたところに胴回し回転蹴りを合わせ、左のかかとで顎を打ち抜いてダウンを奪う驚異の一発で沸かせた。

 2回も勢いは止まらずに、今度はパンチがさえる。左ストレートで顔面をとらえ続けて鼻血を出させると、計3度のダウンでTKO勝ちを呼び込んだ。勝利の雄たけびを上げて、コーナーポストに上がって「ふーっ」と一息ついた。「ちょっと力んだ。入り込みを気を付けすぎた」と反省したが、危なげなく節目の勝利を飾った。

 試合後には「キックのトーナメントのベルトがほしい。ベルトを作って下さい」と運営側に懇願。インタビュアーから堀口恭司(27)の名前が出ると「いつか倒せる日まで応援して下さい」と将来的な対戦希望を口にした。