WBC世界フライ級王者内藤大助(34=宮田)が、厳戒態勢の中でV5に挑む。26日に中国・上海で行う同級14位熊朝忠(26=中国)との防衛戦で、公安警察の包囲網に守られて入退場する計画があることが4日、分かった。客席と花道を仕切る鉄柵が、消防法で使えない可能性があり、運営当局が公安に警備強化を依頼している。

 観客の動向も懸念材料だ。中国人男子が初めて、世界王座に挑む歴史的な一戦でファンが興奮し、不測の事態も考えられる。興業関係者は「2人に危害が加わらないよう、人の鎖で守ってもらいたい」と話した。混乱が起きやすい試合後は、両選手に特に厳重なガードが施される。

 不安要素は、試合前の演出から漂っている。中国の運営関係者は「花火で盛り上げます。イベントの重要な要素です」と話し、入場の際に室内花火を使うことを明かした。仮に中国花火の代名詞である爆竹も使われれば、爆音でファンの興奮があおられる可能性もある。宮田ジムの宮田博行会長は「日中友好の懸け橋になって欲しい試合。うちのチャンピオンには無事に試合を終えて欲しい」と話した。