<プロボクシング:WBC世界フライ級タイトルマッチ12回戦>◇26日◇東京・ディファ有明

 WBC世界フライ級王者内藤大助(34=宮田)が、リング内外のアクシデントを乗り越えて5度目の防衛に成功した。

 急きょ開催地が東京・ディファ有明に変更になった内藤の5度目の防衛戦は、「赤字興行」となった。

 前座試合のない異例の1試合だけの興行となり、チケットは当日券のみの販売。用意された約800枚の当日券のうち、5000円の席が完売するなど、約700枚が売れたという。主催者発表によると観衆は917人で、会場の9割近くは埋まった。過去の世界戦の観衆に比べると大幅減だが、興行を主催した宮田ジムの宮田会長は「本当に感謝、感謝です」と笑顔だった。しかし、「中国で開催すればトントンだったが、中国選手の移動費用などがかかった」と話し、興行全体では2000万円前後の赤字が出るとみられる。

 巨大市場の中国進出をもくろむWBC(世界ボクシング評議会)の後押しを受けて、ランキング上位選手との指名試合を先送りしてまで上海で組んだ世界戦。現地のプロモーターの不手際によって開催地が変更となって、中国開催はこりごりかと思いきや、宮田会長は「小さな興行をやっていって、いずれ世界戦ができればと思っている」。将来の世界戦の開催はあきらめていないようだった。