世界王者のスパーリングパートナーを公募します!!

 WBA世界スーパーフェザー級王者内山高志(30=ワタナベ)の初防衛戦が5月17日に埼玉・さいたまコミュニティアリーナで行われると4日、発表された。挑戦者の同級12位アンヘル・グラナドス(35=ベネズエラ)の身長は、内山を14センチも上回る同級(リミット58・97キロ)では異例の185センチ。同タイプの選手は日本人では極めてまれなため、渡辺均会長は内山の練習パートナーに、プロアマを問わず公募を呼び掛けた。

 「巨人狩り」へ、内山陣営が異例の「秘策」を打つ。初防衛戦の相手グラナドスは身長185センチ。重量級ならこの身長の選手はいるが、スーパーフェザー級(58・9キロ)となると希少。内山は会見で「181センチとはアマ時代に2回したことがありますが…」と、戸惑いながら苦笑いした。渡辺会長も「日本にはなかなかいない。まずは身長に慣れていかないと。パートナー探しが大変」と渋い表情だった。

 そこで浮上した案が「スパーリングパートナー公募」。プロアマ問わず身長185センチ前後で、体重は内山より1階級上のライト級(61・2キロ以下)までの選手を広く募集する。実績を考慮して、渡辺会長らスタッフが実際に動きを見て採用するかを判断するという。「お金も出したい」と、渡辺会長は本気だ。

 すでにパートナーを1人決めた。内山の花咲徳栄高時代の恩師・木庭監督が指導する平成国際大ボクシング部の次期主将で、187センチのライト級ボクサー中浜(3年)。話を聞いた同監督から推薦してもらった。ただ世界戦へ向けては100ラウンド前後のスパーリングを積む。アマチュア選手1人では足りない。内山は「だれか、お願いします!」とPRした。

 会見で相手を写真で初めて見た内山は「意外にしっかりした体してましたね」と印象を語りつつ「背が高い分、腹の位置も若干高いと思う。狙い目かな」とイメージをふくらませた。「ベルトは手放したくない。絶対に勝ちます。常に挑戦者の気持ちです」。ボクシング界すべての総力を結集し、内山が「高い壁」を越える。【浜本卓也】