破壊王子が「闘魂三銃士」との対決でプロデビューする。ゼロワンは12日、3月6日に開催する10周年記念大会(両国国技館)の対戦カード第2弾を発表。故・橋本真也さん(享年40)の長男大地(18)が、蝶野正洋(47)とシングルマッチ60分1本勝負を行うことに決まった。大地は「自慢できるものではないけれど、蹴りはやってきた。やるだけやってみます」と亡き父が得意としたスタイルでデビュー戦に臨むつもりだ。

 05年に真也さんが急逝すると「橋本真也を超える」と後を継ぐ覚悟を決めた。09年9月にゼロワンのエキシビション戦でリングデビュー。元世界王者の小林聡さんに2度のダウンを喫した悔しさを胸に、学業と焼き肉店でのアルバイト、練習を両立した。体重も10キロ増の80キロに達し、心身ともに成長を続けている。

 蝶野との対戦は「父と一緒に戦ってきた三銃士の1人。偉大な方で父親に近い存在」と大地自身が希望した。真也さんが新日本に入団したころからの戦友で、昨年にはゼロワン社長の大谷晋二郎とともに「大地育成プロジェクト」を立ち上げてもらった恩義もある。「2つ返事で受けてくれた」(大谷)という蝶野は今日13日、都内で会見する。「まさか本当に実現するとは。うれしいし、勝ちたい」という大地。ファンの期待を力にプロのリングに立つ。【山下健二郎】