立ち技系格闘技の無差別級王者を決めるK-1

 WORLD

 GP(WGP)決勝戦が、93年の創設以来、初めて海外で開催されることが12日、分かった。K-1を主催するFEGのもとに、今月29日にWGP開幕戦(南京)を行う中国や欧州5カ国から大会誘致のオファーがあった。経営再建中のFEG側も、選手発掘と市場拡大のチャンスととらえ、決勝戦を海外で初開催する方針を固めた。開幕戦前後に候補地を絞り込み、12月中旬の開催を予定している。

 WGP決勝の舞台が、創設19年目で初めて海を渡る。FEG側に決勝戦の大会誘致を打診しているのは、南京での開幕戦でK-1初開催となる中国を含めて現在6カ国。まず開幕戦の候補地に挙がっていた香港、上海が名乗りを上げた。さらに、今月に入って欧州からも打診を受け、オランダ、スペイン、ドイツ、ハンガリー、クロアチアが候補地に加わった。

 K-1のイベントプロデューサーを務めるFEGの谷川貞治代表(50)は「海外では格闘技への関心が高く、K-1のブランド力も維持できている。選手の発掘を含めて、新たな可能性を模索したい」とWGP決勝の海外開催を決めた。

 WGPは創設した当初、開幕戦と決勝をいずれも国内で開催。近年は欧州や北米などの地区予選と国内外での開幕戦を経て、日本で決勝を行う方式が定着していた。ただ、魔裟斗らスター選手が引退した10年以降は国内の人気低迷が顕著となり、地上波放送の撤退などでスポンサー収入も減少。多額の負債を抱えたFEGは、運営方法の大幅な見直しに着手している。

 注目度の高い決勝となれば、地元企業や海外投資家の関心を高め、新たな融資につながる可能性がある。現地プロモーターとの共同運営でコストを削減、選手の選択肢も広がる。国内のファンにとっては生観戦の機会が減ることになるが、谷川代表は「今年については選手のためにも、まずは大会を継続して開催することを優先する。海外の市場を開拓するチャンス。環境や条件面を考慮して決めたい」という。中量級のWORLD

 MAXも、世界トーナメントを12月上旬にシンガポールで開催予定で、最終調整中。主要大会の海外移設で、K-1再興の勝負に出る。