<新日本:神戸大会>◇29日◇兵庫・神戸ワールド記念ホール◇8000人

 IWGPヘビー級王者オカダ・カズチカ(25)が4度目の防衛に成功した。8月のG1クライマックスで敗れ、2年7カ月ぶりの同王座挑戦となった小島聡(43)と対戦。前哨戦でよけられ続けた必殺のレインメーカー(短距離式ラリアット)を決めると、24分44秒、片エビ固めで勝利した。試合後には前王者棚橋弘至(36)が次期挑戦を表明。10月14日、東京・両国国技館でのV5戦が決定的となった。

 4発目で決めた。オカダは中盤、負傷欠場中の盟友・天山が得意とするモンゴリアンチョップ、アナコンダバイスで会場を味方に付けた小島に攻め込まれた。それでも、レッドインク(変形ラクダ固め)で流れを奪い返すと、「俺には当たらない」と挑発を受けたレインメーカーにこだわった。

 2発目をかわされ、3発目もラリアットで防がれた。それでも、ドロップキックで動きを止めると、小島を1回転させるほど力と思いを込めた右腕を振り抜き、勝利をつかみ取った。会場が興奮に包まれる中、「小島さんは…普通です。(来年1月4日の)東京ドームに向けて、しっかりやっていく」と冷静なオカダ節でファンを酔わせた。

 プロレス人生をスタートさせた思い出の地でのV4達成だった。中学卒業後、15歳で闘龍門に入門。同市で寮生活を送り、この日と同じ会場の2階席で警備員をしたこともあった。10年の時がたち、リングのど真ん中でベルトを巻いた。

 試合後には何度も激闘を繰り広げてきた棚橋から挑戦を要求され、受諾。「あなたをしっかり終わらせます」と、G1で引き分けに終わった両国の地で、完全決着を誓った。【奥山将志】