IBF世界ミニマム級王者高山勝成(31=仲里)が14日、8月9日(日本時間10日)にメキシコでWBO同級王者フランシスコ・ロドリゲス・ジュニア(20=メキシコ)と団体王者統一戦を行うことを発表した。既にWBA、WBCのベルトを獲得している高山は、WBOを加えれば日本初の偉業、4団体制覇実現となる。

 時は来た。高山は大阪市内のジムで、さらさらとペンを走らせた。この日、届いたばかりのWBO王者ロドリゲスとの統一戦契約書に署名。日本初の4団体制覇を懸けた大一番が決定した。「年内に統一戦を目指していた。とても気合が入って、興奮しています」。

 8・9、メキシコ・モンテレイ。00年10月のプロデビューから数えて35戦目はキャリアで最も重要な12ラウンドになる。既にWBA、WBC、IBFのベルトを獲得。WBO王座がラストピースだ。決意の表れが、敵地での統一戦承諾だ。「国内でIBFのベルトを3回、5回と防衛するよりも、目標に向かって突き進みたい。二つ返事でOKした」と迷いはなかった。

 尻込みはしない。09年から4年半、海外で戦った。IBF王座も昨年3月にメキシコで獲得。同王座を2度防衛も「強い相手としかやりたくない」とジムに直訴。中出トレーナーも「日本は内弁慶の王者が多い。海外で取ってくる方が自分たちは刺激的」。同トレーナーは来週にも頭部に見つかった動脈瘤(りゅう)の検査で入院予定だが、メキシコには同行する構えだ。

 IBFとWBOの王座を手にすれば、次は10月24日にモナコでWBA王者ブドラーとベルト3本を懸けた2戦連続統一戦のプランもある。今年4月に愛知・菊華高に入学した「現役高校生世界王者」は「目標としているグランドスラムをものにするには勝つしかない」。高山が勝てば、ミニマム級では世界初の4団体制覇にもなる。【益田一弘】