亀田3兄弟の次男でWBA世界フライ級11位の亀田大毅(20=亀田)が異例の中36日で世界前哨戦と世界戦を行うことが6日、決定的になった。まずは30日に大阪府立体育会館でホセ・アルベルト・クアドロス(メキシコ)とノンタイトル10回戦を行う。約1カ月後の10月6日に、大阪市中央体育館で同級王者デンカオセーン・クラティンデーンジム(32=タイ)に挑戦する運びとなる。大毅の世界戦挑戦は、07年10月11日のWBC同級王者内藤大助(34=宮田)戦以来となる。

 大毅が中36日という異例の強行スケジュールで世界戦に挑戦する。30日のクアドロス戦は4日に明らかになっていたが、この日、WBAが10月6日のデンカオセーン戦を承認していたことが分かった。クアドロス戦はキャンセルされておらず、中36日の短期間で前哨戦と世界戦を行うことになる。亀田ジムの五十嵐会長は「近々、正式な発表をします」と語るにとどめた。

 当初、デンカオセーンには長男興毅が5月にも挑戦する計画が進んでいた。それが王者側に2人のマネジャーが存在するなどの問題もあって混乱し、白紙に。結局、デンカオセーンは5月に久高寛之(24=仲里ATSUMI)と対戦し、初防衛に成功した。その後は「亀田とやるのも悪くない」と、興毅との対戦に興味を示していた。

 だが、亀田陣営は興毅のWBC同級王者内藤への挑戦も視野に入れ始め、07年10月の内藤戦での反則から立ち直って着実に成長している大毅をデンカオセーンの相手に推したもようだ。王者陣営も、大毅との対戦を了承。中36日の強行日程になるが、日本ボクシングコミッションのルール上ではクアドロス戦でKO、TKO負けを喫しない限り問題はない。

 今年の大毅は、対戦予定だった相手選手が事故死するなどつらい思いもしたが、乗り越えてきた。年内の世界戦を目標としている兄興毅よりも先に巡ってきたチャンスをものにすべく、まずはクアドロス戦に集中することになる。