13日目のけが後は、言葉数が少なくなった新横綱稀勢の里(30=田子ノ浦)。弱みを見せたくないためだった。逆転での2連覇が決まった後で見せた涙に、苦しさは表れた。苦しみから解放された新横綱の言葉には、これまでと違う苦労と、感謝の思いがにじんだ。

 -今の気持ちは

 「この応援のおかげと、支えてくれた人のおかげ」

 -先場所と喜びの違い

 「苦しかった分、うれしいですね」

 -賜杯の重みは

 「先場所と違う感じでした。違うものというか」

 -昨日は満足に取れず、今日はどんな気持ちで

 「気持ちだけぶつけようと思って…やりました」

 -最初の立ち合いは

 「同じことはできないから、違うことをしようと思った。後は気持ちだった」

 -決定戦は

 「自分の力以上のものが最後は出ました。本当にあきらめないで、最後まで力を出して良かった」

 -最後の小手投げ

 「やったことがなかった。いろんな人に来てもらった。治療もそう。昨日以上に動けるようになったし、いろんな人のおかげ。やっぱりこれは自分1人ではないと思います」

 -君が代で涙を流した

 「すみません。今回は泣かないと決めたんですけど…。見苦しい姿をお見せして申し訳ない」

 -けがの状態は

 「しっかり治して、また5月場所に元気な姿を皆さんに見せられるように、明日からしっかり治療に専念してやっていきたい」

 -出るからには勝たないと、という思いだったか

 「こうならないのが一番いいが、ケガしたのは自分だから」

 -先代師匠の元横綱隆の里と同じ新横綱優勝

 「新横綱で全勝となると、ものすごいことだと思った。(新横綱優勝に)なってみたらなってみたで、すばらしい」

 -勝因は

 「支えです」

 -新横綱の15日間は

 「今までの相撲人生15年間とはまったく違うような場所だった。横綱土俵入りも初めてやって、今は疲れたというか…。疲れたというのが、一番ですけど、何か見えない力を感じた15日間でした」

 -痛みは

 「想像に任せる(笑い)」