愛媛国体の相撲の少年で、大相撲の元横綱大鵬(故人)の孫で元関脇貴闘力の三男、納谷幸之介(17=埼玉栄高3年)が7日、団体と個人の2種目で優勝した。この結果、12月の全日本選手権(両国国技館)への出場権を獲得したため、大嶽部屋から11月の九州場所で予定していたデビューは白紙に。そんな想定外? のうれしい2冠となった。

 優勝候補だった8月の全国高校総体は団体3位、個人は決勝トーナメント1回戦で敗れた。国体が高校最後の相撲と言い聞かせ、地道に鍛錬。「すり足や四股などの基礎運動を徹底した」と山田道紀監督は言う。190センチ、160キロの巨体ながら、動き回る相手にもしっかりとついていく足運びが光った。「悔いの残らないようにやろうと思っていた。その通りにできた」と満面の笑みを浮かべた。

 「うれしいし、もっと頑張ろうと思える。高校の相撲はやり切った」と話すも“おまけ”がついてきた。全日本で8強に入れば、高校生では史上初の付け出し資格(三段目最下位格)も得る。楽しみが、増えた。