大相撲の秋巡業最終日が29日、広島・福山市で行われ、4横綱が九州場所(11月12日初日、福岡国際センター)への出場へ強い意欲を示した。初日に4横綱がそろえば2場所ぶりとなる。3場所連続休場中の稀勢の里(31=田子ノ浦)は横綱昇進後、初めて巡業を完走。朝稽古前に奉納土俵入りを行う機会も何度かあり「いい経験になった。(これまでの巡業と)全然違いますね」と充実感を口にした。朝稽古では左上腕付近の負傷を感じさせない切れの良い動きを見せていて「力士として調整して初日に出るのは当たり前。結果を残さないといけない」と力を込めた。

 同じく3場所連続休場中の鶴竜(32=井筒)は出場を問われると「もちろん」と即答。師匠の井筒親方(元関脇逆鉾)は出場した次の場所で進退を懸けると話しているが「プレッシャーは全く何も感じない。やれることをやって準備を大事にしたい」と強気で、昨年優勝した縁起の良い場所で復活をかける。巡業に途中から参加した白鵬(32=宮城野)は「まあまあかな。50点」と巡業を振り返り「その心は、福岡に入って一生懸命頑張るということ。最後に笑顔で終わりたいなと思います」と前人未到の40度目の優勝をにらんだ。

 今日30日は、九州場所の番付発表が行われる。秋場所を横綱陣で唯一出場した日馬富士とともに、1年の納めの場所を締めくくるためにも、残り2週間で最高の状態に仕上げていく。【佐々木隆史】