10月に日本相撲協会を退職した元貴乃花親方(元横綱)の花田光司氏(46)が3日、福岡・田川市で行われた「第13回TAGAWAコールマイン・フェスティバル~炭坑節まつり~」に参加した。

花田氏は同市の「たがわ魅力向上大使」を務めていて、開会セレモニーに参加。「本日キャンドルナイトがありますが、私はこの炭鉱の街で栄えた田川、長屋の文化、日本に少なくなってきた家族の絆、大切なこの街の礎があると思っております。キャンドルナイトは鎮魂の儀だと思っておりますので、そんな思いでこれからも田川に携わっていきたいと思います」とあいさつした。

開会セレモニーに参加後は餅まきを行い、司会の開始の合図を待たずにフライングで投げるなどして会場を沸かせた。その後は、出店でわたがし作りに専念。約5時間の間、左腕をわたがしまみれにしながら、髪にもわたがしが着いて白髪のようになっても気にせず、黙々と作り続けた。時には購買客との記念撮影に応じるなど終始、穏やかな表情だった。「今回は、わたがし専門ですから。1人1人担当が決まっているんです」と言って報道陣を笑わせた。

祭り会場には、旧貴乃花部屋の力士らも姿を現した。花田氏はわたがし作りに専念していたため、ほとんど会話することなく軽くあいさつをかわした程度だった。元弟子の顔を見て通じ合うものはあったか? と問われると「本場所の相撲を見てみないと分からない。九州のみなさんに勢いある相撲を見せないといけない。師匠ではないけど厳しい目で見ている」と話した。

相撲協会を退職したが、普段の日々は「あんまり変わらない」という。今後の人生については「貴乃花でもあるし花田光司でもあるし両立ですね。何かしらの子どもの育成に携わっていきたいですね。元力士として伝えられることを伝えたい」と話した。

九州場所(11月11日初日、福岡国際センター)への観戦については「それはない」ときっぱり。「東京に残したというのが弟子を育てたということの根幹」と、東京にある旧貴乃花部屋の土俵を取り壊さずに残していることが、元弟子らとのつながりを保っている証しだとした。