[ 2014年6月14日7時17分

 紙面から ]練習中、選手をじっくり見つめるザッケローニ監督(撮影・狩俣裕三)

 【イトゥ(ブラジル)12日(日本時間13日)】日本代表アルベルト・ザッケローニ監督(61)が、コートジボワール崩しの対策を注入した。この日の練習前ミーティングで守備の穴を確認。代表関係者によると、非公開練習ではそのポイントを繰り返し確認したという。合言葉は「ヤヤ・トゥーレが空けたスペースを突け」。14日(同15日)の初戦へ必勝プランが描かれた。日本は13日にイトゥから試合会場のレシフェへ移動。

 「センターバック(CB)はボールを持ち、できるだけボールを奪いにくる相手FWやMFを引きつけてからボランチや前線にパスを預けろ!」。ザッケローニ監督の指示がピッチ上に響き渡る。明確なコートジボワール崩しの対策が、何度も何度も確認された。

 緻密な分析の結果、守備の穴の1つを見つけ出した。日本の守備陣がボールを保持する際、1トップのFWドログバとトップ下のMF、Y・トゥーレがボールを奪いにくる。ただ、Y・トゥーレがボールを奪いに来た時に空いたスペースを埋める動きが、コートジボワールには極端に少なかった。

 「Y・トゥーレが空けたスペースでMF遠藤らボランチがパスを受けることができれば、プレスが緩い状態で前を向けて、良い形で攻撃に入れる」(同関係者)。そのためにも、日本のCBが超ド級の迫力を持つドログバ、Y・トゥーレのプレスを受けても、恐れることなく冷静にボールを保持して引きつけることが必要になる。ただ、ザッケローニ監督は、この意識を既にCB陣に植え付けていた。

 5月下旬の鹿児島・指宿合宿。暑熱対策とフィジカル練習中心の合宿だったが、DF陣のパス回しの確認事がなされていた。CBが相手の前線のプレスをできるだけ引きつけ、ボランチなどにパスを出す-。その時、DF吉田は「リスク管理をしながらも、プレスを恐れずにつないでいきたい」と話していた。指揮官はコートジボワール崩しの対策という説明こそしなかったが、冷静に本番を見据えていた。

 ザックジャパンのCB吉田、森重、今野、伊野波は全員がボランチだった。足元の技術は高いものがある。「主導権を握り、攻撃的な日本のサッカーを貫く」と話すザッケローニ監督が、守備時から正確にパスを回せる「攻撃的CB」を意図的に選出している。その持ち味が生きるのが、何よりも重要になるW杯初戦。「Y・トゥーレの空けた穴を突け!」。狙いがはまれば、日本が勝利により近づける。【菅家大輔】

 ◆Y・トゥーレとは

 11年から3年連続でアフリカ最優秀選手に輝き、マンチェスターCでは昨季20ゴールを挙げてリーグ優勝の原動力となった。189センチの恵まれた体格を生かした力強いプレーに加え、足元の技術も併せ持つ。