「カワイイ」が正義の女性アイドルにとって、「○○年に1人の美少女」というキャッチフレーズは、もっとも欲しい枕ことばの1つでしょう。そのブーム? に火を付けたのは、橋本環奈です。あるイベントで踊る写真が「奇跡の1枚」と話題になり、「1000年に1人の美女」と騒がれるようになりました。すると、「2000年に1人の美少女」ことdrop滝口ひかりが続き、すっかり人気アイドルのステータスになりました。

 そんな「○○年に1人の美少女」が、AKB48グループにもいるのを知っていますか? 渡辺麻友? 山本彩? いえいえ、違います。AKB48の都道府県選抜「チーム8」の東京代表、小栗有以(15)です。彼女に付けられたキャッチフレーズは、何と「2万年に1人の美少女」。誰が名付けたかは不明ですが、よほどそのビジュアルを世に知らしめたかったんでしょう。文字通り、ケタ違いの愛称が付きました。本人は「よくよく考えると、2万年前って縄文人なんですよね?」と言いながらも、「私やチーム8を知っていただくきっかけになったことは、すごく良いことだと思っています」と歓迎しています。

 果たして小栗とは、どんな子なんでしょう? チャームポイントを挙げていくと、きりがありません。見つめ合ったら吸い込まれてしまいそうな、うるおいのある瞳。ハーフツインがよく似合う、長い黒髪。守ってあげたくなるような、きゃしゃな体。ちょっと控えめな性格。それなのに、センターで踊れば圧倒的な輝きを見せるのです。アイドルが愛される要素をたくさん持っている、まさに「なるべくしてなった」アイドルです。

 小栗が話題になり始めたきっかけは、橋本と少し似ています。14年10月、富山県で行われた、あるイベントでの写真が、評判になったのです。「かわいすぎる」と、写真はすぐさまネット上で拡散。さらに人気に火を付けたのが翌年、ある大学の学園祭に出演した際の「事件」でした。マナーの悪い観客を見て、泣いてしまったのです。話すのが苦手な小栗が、マイクを握り「楽しかったけど、約束を守ってくれない人がいて…」と、人前で悔しさをあらわにしました。結果、「けなげな彼女に悲しい思いをさせたくない」と、ファンが結束したのです。

 それから約1年、小栗は立派に成長しました。1月14日には、なんとソロコンサートを開き、2000人の東京ドームシティホールを満員にしました。年末から練習漬けで、23曲を歌いきりました。愛くるしい表情は少し大人っぽくなって、アイドルとして脱皮の兆しを見せています。島崎遥香が卒業し、小嶋陽菜も2月に卒業コンサートを控えるなど、時代を作ったスターが巣立って行くAKB48ですが、期待の新星が育っていることも知ってほしいですね。