AKB48の姉妹グループ「NMB48」は26日、大阪・NMB48劇場で、金属探知機を導入し、警備を強化してチームB2「逆上がり」公演を予定通りに行った。開演前のアナウンスでは、AKB48から移籍してきた梅田彩佳(25)が事件後初めて、メンバーからファンにメッセージを送った。

 梅田は「昨日、悲しいできごとがありました。ケガをした川栄りっちゃんと、入山杏奈ちゃんと、スタッフが早くよくなるように祈っています」と、事件に触れ、切り出した。

 その後、密接にファンと接し、支えられ、活動を続けてきらグループの存在意義にも言及した。

 「私たち48グループは、本当に何もないところから、皆さんに支えられて、ここまで大きくなることができました。私たちがへこんでいるときも、いつでもそばにいて、支えてくれたのは、ファンの方々です。ステージで楽しんでいるとき、たくさんの声援が本当に毎回、私たちの支えになりました」

 ファンとの近い距離が今回の事件につながったとも言えるが、一方では、AKB48グループの特長が、ファンとの近さでもあり、梅田はその複雑な気持ちを代弁。その梅田のアナウンスの後、約10分遅れて公演は開演した。

 入場した観客によると、金属探知機が導入され、入場口で1人ずつチェック。探知機は空港の入場ゲートでも使われる手持ち式の物と同一とみられる。手荷物検査も行われ、同事務局によると、警備員も増員して対応。客席の最前列は空席とし、公演が行われた。

 終演後、ファンは一様に、厳重な警備を経ての開演に「公演のためなら仕方ない」と理解を示した。

 和泉市から来た男子大学生は「セキュリティーチェックは、あった方がいいのかなと思います」。渡辺美優紀ファンという女子高校生(16)は「昨日の事件はショックだった。メンバーの安全確保が第一なので、今日の公演は中止になっても仕方ないと思っていた」と話していた。

 またこの日、NMB48は京都市内で、木下百花(17)川上礼奈(18)らが出演したトークショーも予定していたが、これも予定通り行われた。