あっちゃんのラスト生誕祭に、仲間たちが涙した。8月にAKB48を卒業する前田敦子の最後の生誕祭(誕生日イベント)が、21歳になった10日、東京・秋葉原のAKB48劇場での公演「目撃者」で行われた。前田は体調不良で一部の全体曲には出演できなかったが、ステージ上ではあっちゃんスマイルをふりまいた。

 最後のあいさつをしようとするメンバーを、篠田麻里子(26)が遮った。「ちょっと待った~!」。掛け声とともにステージにケーキが運び込まれてくる。「今日はみんな大好きなあっちゃんの誕生日です」とあおると、客席から「敦子!

 愛してる!」と声援が飛んだ。

 メンバーは、目に涙を浮かべた。篠田は「誕生日をお祝いできるのが…」と言葉を詰まらせた。高橋みなみ(21)は「今日が最後の日じゃない」と言いながら、鼻は真っ赤だった。凜(りん)とした表情を見せる前田とは対照的だった。

 同じ1期生の板野友美(21)からは手紙も送られた。「ケーキを運びたかったけど、嫌な予感がするのでやめました」。2年前、前田のためのケーキをステージで倒したことを引き合いに、笑いを誘った。

 誕生日の当日に生誕祭を行うのは、15歳になった06年以来6年ぶり。「本当の誕生日に、最後にやってもらえたのはうれしい。一生の宝物、ありがとう」。8月の東京ドーム公演、卒業公演まで1カ月半。カウントダウンが始まった。【森本隆】