人気アニメ「ドラえもん」のレギュラー声優陣を一新して4作目の映画「ドラえもん

 新・のび太の宇宙開拓史」(腰繁男監督)で、新シリーズ1000万人を突破し15日、都内劇場で記念イベントが行われた。ドラえもん役の水田わさび(34)やキャラクターが劇場に登場し、どら焼きも配られた。親子3代で来場した観客もいるなど、人気は衰えを知らない。

 TOHOシネマズ西新井の一番大きな400人以上を収容する劇場はほぼ満員で、多くの親子連れが「ドラえもん」の新作を鑑賞に訪れた。新作「-宇宙開拓史」は今月7日の公開初日から1週間で40万人を動員、06年に新声優陣で挑んだ「のび太の恐竜2006」から4作で1000万人を突破した。

 水田とドラえもんは、青色に塗られたドラえもん形のくす玉を割り「本当に感動しました。1000万人、2000万人、3000万人と、いっぱいのお友達に会えるように頑張ります」と喜んだ。05年に、25年もドラえもんの声を務めた大山のぶ代(72)らから、レギュラー声優陣が一気に変わったことで、ファンが離れる可能性も指摘されたが、新シリーズになっても勢いは衰えていなかった。

 人気を保っている理由の1つに、初期の名作を元にした作品が作られたことで、親子で楽しめる作品になったことが挙げられる。「のび太の恐竜-」や「-宇宙開拓史」は、新キャラクターを加え、ストーリー展開を少し新しくした。

 この日訪れた宮沢キミコさん(62)は、長男の妻とその息子2人の計4人、3世代で鑑賞した。「息子が子供のころ『ドラえもん』を見に行きました。今見ても夢がいっぱいですばらしいです。大山さんも良かったですし、新しい人もいいですね」と満足した様子。長女(4)と訪れた益子和重さん(36)は「(オリジナルの)『宇宙開拓史』は小学校の時に見ました。感動しましたね」と振り返った。

 イベントではドラえもんの好物、どら焼きが1000個用意され、観客に配られた。抽選で5人にドラえもん、のび太、しずかちゃん、ジャイアン、スネ夫から直接どら焼きが渡すサプライズもあり子供たちを喜ばせた。子供たちは舞台裏に戻るドラえもんの後ろ姿に手を振り続けていた。親も一緒に手を振る姿もあった。ドラえもんは、30年たってもアイドルのままだ。