70年代から80年代にかけて映画界でひとつのジャンルを築き、多くの女優や監督を生んだ「日活ロマンポルノ」が22年ぶりに復活することが3日、分かった。第1弾として、名作の「団地妻

 昼下がりの情事」(旧作は「昼下り」)、「後ろから前から」(旧作は「後から)が時代、人物設定を新たに製作された。2月に都内で公開されるほか、PPV(ペイ・パー・ビュー)放送もされる。

 71年から始まった「ロマンポルノ」は、ドラマ性を重視し想像力をかき立てる内容の作品が多く、新しいポルノとして広く受け入れられた。直接的な性表現があふれる今の時代だからこそ、特長が生きると考えられ、復活が決まった。

 公開とほぼ同時に「スカパー!

 HD」でPPV放送されることや、単なる旧作リメークではないことから、新シリーズは「ロマンポルノ・RETURNS」と名付けられた。ドラマ性に富むロマンポルノだからこそ、男女問わず幅広く楽しめるように自宅でも視聴できる企画となった。

 新シリーズ第1弾は、名作2作が選ばれた。「団地妻-」(71年)はロマンポルノの第1作目として知られている。新作は「櫻の園」「落語娘」などで知られる中原俊監督がメガホンを取り、劇団東京乾電池に所属する高尾祥子(さきこ=29)が主演。ロマンポルノで監督デビューし、まさにリターンズとなった中原監督は「日活ロマンポルノは映画の学校でした。久々に監督をするにあたり、学んだ演出や技術などいろいろと取り入れました。ロマンポルノは新しい表現方法を模索する良い題材」。高尾も「以前からロマンポルノは、映画として面白いと思っていました。芝居に限らずたくさんのことを学びました」とコメントした。

 人気歌手の畑中葉子が衝撃的に転身したことで注目された「後から前から」(80年)は、若手の増本庄一郎監督が設定を新しくし、グラビアや元ミニスカポリスで知られる宮内知美(34)が主演する。宮内も「歴史ある作品に出演できてうれしい。オリジナルの楽しさを受け継いで、今の皆さんに衝撃を与えたい」と意気込む。宮内は、畑中が歌いヒットした主題歌「後から前から」も歌い、映画公開に合わせて配信される。

 2作とも東京・渋谷のユーロスペースでレイトショーされる。「団地妻-」は2月13日、「後ろから-」は同27日公開。スカパーではそれぞれ初日翌日から放送。配給の日活関係者は「新作製作は今後も続きます」と話しており、名作が次々に復活する。