今年も残すところあと2日。2014年のハリウッドも大物俳優の自殺やソニー・ピクチャーズエンタテインメントへのハッキング攻撃などたくさんのニュースがありました。そんな2014年のハリウッドを振り返ってみました。

 ★フィリップ・シーモア・ホフマンの急逝

 年明け1カ月ほどで飛び込んできたのは、映画「カポーティ」(05年)でアカデミー賞主演男優賞に輝いた名優フィリップ・シーモア・ホフマンの急逝。ニューヨークの自宅アパートで腕に注射器が刺さったままの状態で亡くなっていたというショッキングなものでした。死因は薬物過剰摂取で、46歳の若さでの死を惜しむ声がたくさん聞こえてきました。

 ★ロビン・ウィリアムズ自殺

 今年はもう1人、名優が亡くなっています。8月11日にサンフランシスコの自宅で首を吊って自殺したロビン・ウィリアムズです。数年前からうつ病に苦しんでおり、初期のパーキンソン病であったことが死後、夫人によって明かされました。喜劇の天才だったウィリアムズの死に際し、オバマ大統領も「私たちを笑わせ、泣かせてくれました」と、追悼のコメントを発表。ハリウッド業界にも大きな衝撃が走りました。

 ★ネットでもっとも検索されたのはヌード流出のジェニファー・ローレンス

 2014年に全米でもっとも検索されたスターは、ジェニファー・ローレンスであったことがグーグルの発表で明らかになりました。「世界にひとつのプレイブック」(12年)でアカデミー賞主演女優賞に輝き、「ハンガー・ゲーム」シリーズでも人気の若手トップ女優の過激ヌードがネットに流出する騒動が起こりました。

 iCloudに保存されていた、ハリウッドセレブがプライベートで撮った写真が、ハッキングされて大量に流出。ローレンスが恋人の俳優ニコラス・ホルトに見せるために撮ったというセクシーなヌードが修正なしでばら撒かれてしまいましたが、他にもキルスティン・ダンストら多くの女性セレブが被害に遭っています。

 ★アイス・バケツ・チャレンジ

 今夏、ハリウッドセレブの間で大流行したのは、難病の筋萎縮性側索硬化症(ALS)の周知と患者支援を目的としたチャリティ・キャンペーン「アイス・バケツ・チャレンジ」。一般人も巻き込んであっと言う間に世界中に広まったこのキャンペーンは、バケツに入った氷水を頭からかぶる動画を撮影してSNSに投稿し、3人の挑戦者を指名するというもの。指名を受けた人は、氷水をかぶるか100ドルをALS協会に寄付するかを選択することができるもので、トム・クルーズ、レディ・ガガ、レオナルド・ディカプリオからスティーブン・スピルバーグ監督やビル・ゲイツ氏まで多くのセレブが挑戦。氷水をかぶる行為への賛否を巡る論争も起き、チャーリー・シーンは氷水の代わりに現金の入ったバケツをかぶるなど、様々な形で多くのスターが参加。多くの寄付金を集めると共に、ALSはあっと言う間に世間で認知されるようになりました。

 ★ジョージ・クルーニー結婚

 ハリウッド最後の大物独身貴族といわれたジョージ・クルーニーが、ついに年貢を納めて敏腕弁護士アマル・アラムディンさんと結婚しました。「一生独身」を公言していたクルーニーは、イタリア・ヴェネチアで豪華な挙式を行い、連日のようにその模様が報じられるお祭り騒ぎとなりました。

 ★北朝鮮の金正恩第1書記暗殺映画が社会問題に

 北朝鮮の金正恩第1書記暗殺計画を描いたコメディ映画「インタビュー」の公開中止を求めて、ソニー・ピクチャーズエンタテインメントがハッキング攻撃と脅迫を受ける事件が勃発。社員の個人情報から内部メール、未公開映画や脚本など大量の情報が盗まれ、ネットに流出しました。「公開する劇場を攻撃する」との脅迫を受けてクリスマス公開は中止となりましたが、「テロに屈した」「表現の自由への干渉を許した」などと非難を浴び、一転して一部劇場で予定通り公開されました。大きな混乱はなく、各劇場には多くの観客が列をなし、予想外のヒットになりました。

(このコラムの更新は毎週火曜日です)