「人見知りなんです」「初めて会う人とうまく話せません」…私が受け持っているアイドルやアーティストの子たちのコミュニケーションに関するお悩みです。他にも「話が続きません」「何を話したら良いかわかりません」などなど。コミュニケーションは人との会話、つまりトーク! トークの面からお悩みを解決していきましょう!

トーク編18「コミュニケーションレッスン」

 【前回までのあらすじ】トークレッスンの項目を(1)発声、(2)滑舌、(3)話の内容、(4)メンタル、(5)コミュニケーションと分け、前回まで(3)話の内容について、特に「話し言葉」と「書き言葉」の違いについてレッスンしました。

トークレッスンを担当している日本コロムビアのアイドル「Flower Notes」初めてのワンマンライブ後、楽屋挨拶に行った五戸です(2017年4月)
トークレッスンを担当している日本コロムビアのアイドル「Flower Notes」初めてのワンマンライブ後、楽屋挨拶に行った五戸です(2017年4月)

「初めて会う人とうまく話せません」

 アイドルやアーティストの子たちは、ゲストで出演する番組があれば、その番組のスタッフやパーソナリティーと“はじめまして”の状態でたくさん話すことになりますし、ファンの方との握手会でも、“はじめまして”の方と短い時間で会話をします。その時に「うまくいかない」と感じる子は多いもの。

 ただ、「初めて会う人とうまく話せません」って、いたって当たり前なことですよね。そう思わない人のほうが少ないと思いますし、アイドルになれば解決するという問題でもない…まれに、どんな人とも壁なく話せる才能を持っている子もいますが。鈴木奈々さんや小島瑠璃子さんがそうですね。

 皆さんも、特に春は、初めて会う人と話す機会が多いと思います。

 そこでトークレッスンの中に「コミュニケーションレッスン」を組み込んで、自己啓発的な内容ではありますが、トークの観点からうまくコミュニケーションをする方法を探ってみようという授業を行っています。

「Flower Notes」初のワンマンライブ後、メンバーと抱き合う五戸です(2017年4月)
「Flower Notes」初のワンマンライブ後、メンバーと抱き合う五戸です(2017年4月)

初歩的でもやっぱり「挨拶」

 まず、ひとつ目は「挨拶」。「そんな初歩的な…」と思うことなかれ。挨拶はコミュニケーションの面からもとっても大事です。会話をする時、相手に「この子と話してみたいな」とか「良い子そうだな」と思ってもらうのは重要なポイント。挨拶はそのキッカケになります。

 よく言われることですが、挨拶は「明るく」「元気に」「ハッキリと」。「こんにちは」も「はじめまして」も「よろしくお願いします」も、緊張するとしかめ面になりやすいので、意識してニコニコするのがオススメ。

ニコニコ名乗るべし

 そして、名前を名乗って挨拶すること。これは以前も書いたことがありますが、「この人誰なんだろう」と思われると、会話の時も警戒されてしまうので、なるべく名乗るのがオススメ。アイドルなら「今日番組でお世話になります、○○というグループの●●です」。営業なら「○○さんの紹介で来ました、●●商事で営業をやっている○○です」。主婦なら「○○の母の●●です」など、名前に一言、自分の紹介を付け加えるとより効果的。

 ちゃんとしているように見えますし、“ここに来たくて来た感”を演出することもできます。(大勢が一度に集まる会議など、名乗れない時もありますので、そこはTPOということになりますが)

DHCテレビ/TOKYO MX「ニュース女子」出演後の五戸です(2016年8月、都内スタジオで)
DHCテレビ/TOKYO MX「ニュース女子」出演後の五戸です(2016年8月、都内スタジオで)

わからなくなった時の対処法

 それでは、“はじめまして”なのか“2度目”なのか、わからなくなってしまった場合はどうすれば良いでしょうか。オススメは、やはり“名乗って挨拶”です。「2度目なのになんで名乗るんだろう」と思う人は少ないですし、あとで“はじめまして”だとわかった時のほうが怖いからです。会ったことがある気がするなら、挨拶から「はじめまして」をカットして「よろしくお願いします、五戸です」と名乗ると自然です。

 これは他の挨拶の時も使えるテクニック。「お疲れ様です」を誰に言って誰に言っていないのかわからなくなってしまったら、言ったかもしれない人にも、もう一度言ったら良いんです。「さっき聞いたよ」と言われたら、「あっそうですよね!」と言ってニコニコすれば大丈夫です。(次回トーク編は第19回「続コミュニケーションレッスン」です)

本日のごのへの・ご・ろ・く

言った? 言ってない? で迷うくらいなら言っちゃえ!