アイドルやアーティストの子たちにトークレッスンをしていると、「どうしてアナウンサーの人は初めて会う人ともうまく話せるんですか?」とよく聞かれます。それって才能? いえいえ、必要なのは才能ではなく、ちょっとしたコツと対策です。

トーク編19「続コミュニケーションレッスン」

 【前回までのあらすじ】初めて会う人とうまく話せない、そんなお悩みをトークの面から解決。挨拶は意識してニコニコ。初めて会う人には名前を名乗って挨拶を。言ったか言っていないかわからなくなったら、言っちゃおう。

テレビ朝日の配信動画を担当していた時、マスコットキャラクター「ゴーちゃん。」と。大好きなアイドルが出演する時は褒め続けてしまうので、逆に自重した五戸です(笑)(2016年7月)
テレビ朝日の配信動画を担当していた時、マスコットキャラクター「ゴーちゃん。」と。大好きなアイドルが出演する時は褒め続けてしまうので、逆に自重した五戸です(笑)(2016年7月)

会話が続く3つのコツ

 挨拶がうまくいったとして、次の会話が続かなくなってしまったら困ってしまいますよね。さてどうしましょう。コツと対策は、いろいろな方法がありますが、大きくまとめるとこの3つ。「褒める」と「感謝する」と「質問する」です。

コツその1「褒める」

 褒められて嫌な顔をする人はあまりいません。髪型や服装など見た目に関することはもちろん、仕事や学歴など中身に関することでも、褒められるとうれしいものです。

 もちろん、あまりちんぷんかんぷんな褒め方はダメですよ。例えば、プロ野球選手に「野球がうまいですね」と言ったら「当たり前でしょ!」となってしまいますから。でも美容師の方に「器用ですね」はOK。この違い、わかりますでしょうか? 考え方としては「自分が言われたらうれしいこと」と思っていただければ、大きく逸れることはないと思います。

コツその2「感謝する」

 同じく、お礼を言われて嫌な顔をする人もあまりいませんよね。言われなくて嫌な顔をする人はいますが…根に持たれたり、悪い噂になったりすると最悪です。(噂にするほうも悪いですけども、世の中いろんな人がいますので、そこは置いておいて)言って損はありませんので、「きちんとお礼を言う」は大事なポイント。

「アースデイ東京2017」に出展していた「NPO法人 日本の森バイオマスネットワーク」を取材した五戸です。端材を割り箸や積み木にされています(2017年4月、代々木公園で)
「アースデイ東京2017」に出展していた「NPO法人 日本の森バイオマスネットワーク」を取材した五戸です。端材を割り箸や積み木にされています(2017年4月、代々木公園で)

 お礼は何回言っても良いので、ちょっと話が逸れますが、例えばご飯をごちそうになったときは、レジで「ありがとうございます」、お店を出て「ごちそうさまでした」、さらに翌日会ったとき「昨日はありがとうございました」と3回言ってちょうど良いくらいです。

コツその3「質問する」

 「質問」…これは会話の突破口です。質問に質問を重ねていけば、会話はいくらでも続きます。質問の極意はまた改めて。

 それでは、挨拶の次の会話、だとちょっと漠然としているので、具体例を考えてみましょう。

会話例:五戸の場合

(1)取材のとき

 例として、わたくし五戸の話。番組で紹介するイベントがあったとして、その実行委員の方に取材をするとします。まず名前を名乗って挨拶、名刺があれば名刺交換。そして謝辞。「今日はお忙しいところありがとうございます」などなど。

 それから「褒める」モードへ。「今回のイベントとっても素敵ですね」など。褒め言葉は具体的なほど相手に届きやすいので、例えば環境イベントだったら「端材を使った商品の紹介は、林業に携わっている方も喜ばれますよね」など。私だったら事前に概要を調べておきます。何も知らない状態では褒めるのも難しいですし、多少頭に入っていることで「興味を持っている」というアピールにもなります。

会話例:会社員の場合

「NPO法人  日本の森バイオマスネットワーク」にも参加されている山梨の工務店「匠家」のイベント司会を担当しました五戸です。丸太切りに参加しました(2016年11月)
「NPO法人 日本の森バイオマスネットワーク」にも参加されている山梨の工務店「匠家」のイベント司会を担当しました五戸です。丸太切りに参加しました(2016年11月)

(2)営業のとき

 飛び込み営業をする方は、このコラムを読まずとも慣れていると思いますが、まずは挨拶。そして謝辞。「時間を作ってくださってありがとうございます」など。

 そしてここからは褒めまくり態勢へ。「御社のビール本当に美味しいです」「大好きです」「社屋キレイですね」「お優しい方に話を聞いてもらえて感激です」などなど。これも事前準備が必要ですね。営業先を調べておく、商品があれば食べたり飲んだりして、褒め言葉を考えておくと楽です。それから本題の営業話へ。

会話例:異性の場合

(3)合コンのとき

 事前準備ができない、どんな人が来るか全くわからないという場合。「挨拶」「謝辞」は一緒ですが、「褒める」ことを探すために「質問」するというパターンがあります。「お仕事はどんなことされてるんですか?」と聞いて、その仕事がどんなものでも「すごーい!」と褒める…合コンだったらちょっとあざといくらいでちょうど良いと思います。

 TPOによって順番や言い方は変わりますが、抑えるコツは共通しています。

 なんだか、自分の手の内をさらけ出しているようで恥ずかしいですね…。(次回トーク編は第20回「質問レッスン」です)

本日のごのへの・ご・ろ・く

へぇ! そんなお仕事されてるんですね! すご~い!!