柳沢慎吾(64)のホスピタリティーに圧倒された。4月末、薬師丸ひろ子の同級生役で出演していた81年公開の映画「セーラー服と機関銃 4Kデジタル修復版」(相米慎二監督監督)の先行上映会だった。

まず受付から様子が違った。舞台あいさつには進行表がある。ざっくりした段取りが書かれたものだ。この日は最初から「この通りに進むか分かりません」とのこと。ゲストは1人。つまり30分間、ある程度自由にやってもらっていいということの表れだった。

登場するや「寒いね!今日寒くないですか? クリームいっぱい塗ってきました、乾燥肌なんで。あ、ごめんなさい(進行)止めちゃって」と、フリーダムな時候のあいさつからスタート。角川映画祭のイベントとあって、合間に角川春樹社長のモノマネをたびたび挟み込んだ。

さらには「相米慎二監督監督と柳沢慎吾の『慎』一緒なの」と、今度は相米監督のモノマネを披露。撮影時の思い出を振り返りながら、お約束の警察無線ネタもやってくれた。

公開から45年ぶりの舞台あいさつで「楽しい!やっぱいいね。45年後にもう1回…、あ、おれ死んでるわ!」と老人風にしゃべる場面も。トーク終了後、フォトセッション準備のために一度はける流れだったが、なかなかはけず、引っ込んでもすぐ再登場した。

観客へ最後のひと言をもらおうとする司会者にも容赦がなかった。

「締めようと思ってるでしょ、これからあと30分しゃべるよ」

「絶対うち帰ったら言うよね。『あ、アケミ? あの出っ歯、超ウザかった。あたしが締めようと思ってもずっとしゃべってる。進行無視!』って友達に電話すんだよね」

「風呂入りながら『あ、カオリ? あの出っ歯と今日一緒でさあ』って言うんでしょ」と笑わせ続け、MCの女性はたじたじだった。

さて今度こそ終わり。というところから、新しいエピソードトークが始まる。最後はきっちり「いい夢見てください、あばよ!」の決めぜりふを投げ、「これカーテン締まんないの? 自ら出るの? じゃあ本当に、お元気で、お元気で!じゃあね~」と嵐のように去っていった。

30分しゃべりっぱなし。いつ息継ぎしてました? というレベルの、これぞマシンガントーク。本当に30分しかなかったのかと疑いそうな満足度。おなかいっぱいのサービスに、舞台あいさつとは思えないほど鳴りやまない拍手が贈られた。【鎌田良美】