前作でエイリアンを撃退してから20年。劇中世界でそのまま時代が進行したかのように、カレンダーに合わせ続編が出来上がった。

 絶滅を免れた人類はエイリアンが残した技術を取り入れ高度な発展を遂げている。前作で戦いの先頭に立った大統領(ビル・ブルマン)は、現政権にエイリアン再来襲の警鐘を鳴らす偏屈な老人になっている。前作そのままのキャストが年齢を重ね、ここに子ども世代としてリアム・ヘムズワースら生きのいい俳優が加わった。前作ファンに厚みを感じさせる布陣だ。

 火星基地の異変に始まる襲来第2章は、とにかくスケールが大きい。小技でうならせる最近のSF作品とは趣を異にし、直線的なスケールアップで勝負する。見渡す限りの空を覆い尽くす宇宙船のドでかさ、重力兵器のすさまじい威力…。

 惑星規模のパニック映画を作らせたらローランド・エメリッヒ監督の右に出る者はいない。巨大セットの細密さに湯水のような製作費を実感させる一方で、ストーリーには無駄がない。

 再び追い詰められた人類の「逆転のカギ」や、パズルのような人間関係は、はまりすぎるほどに計算されている。素直に楽しめる。【相原斎】

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