ライバルのマーベルコミック「アべンジャーズ・シリーズ」に対抗し、DCコミックもヒーロー共演型作品の連作となった。

 前作「バットマンVSスーパーマン」で、まさかのスーパーマン死去。世界崩壊の危機にどう立ち向かうかが今作のテーマだ。収監中の悪党たちに減刑を持ちかけ、それをエサにさらなる悪と戦わせる奇策「毒をもって毒を制す」である。

 アベンジャーズのヒーロー間の摩擦は個々の正義感の微妙な温度差によって生じるが、今回のスクワッド(部隊)には、そもそも正義感がない。

 エゴがぶつかり、思いのベクトルは決して同じ方向に重ならない。本音むき出しの人間くさいキャラの絡み合いが見どころになる。

 ヒロインは犯罪専門の精神科医から悪に転じたクインだ。元女医にして尻タブむきだしのホットパンツ姿、甘い口調と怖い目、ギャップがすさまじい。よくやったマーゴット・ロビー。これまでの日常的な役柄から大きく振れている。

 最強最悪のスナイパー、デッドショットはウィル・スミスが演じると「いい人」に見えてしまうが、幼い1人娘には弱いという設定で、これもはまり役か。【相原斎】

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