純文学作家デビュー作となった「火花」が単行本で40万部に迫るベストセラーになっているお笑いコンビ、ピースの又吉直樹(34)が「もしお笑い芸人か、小説家のどちらかを選ばなくてはいけないとしたら?」と尋ねられ「お笑い芸人」と即答した。

 23日放送のTBS系「サワコの朝」に出演。冒頭、司会を務めるエッセイストでタレントの阿川佐和子(61)から「文豪」と紹介された又吉は「全然、文豪じゃないですよ」と恐縮しながら登場。「火花」は第28回三島由紀夫賞にもノミネートされ、わずか1票差で受賞を逃したが、又吉は「こんなに話題にしていただけるとは思わなかった。何の反響もないと思っていた。そういう想定、みんなが読むものとして書いていなかったので、それがよかったのかもしれない」と自己分析した。

 また、「火花」創作にあたり、「賛否両論があるようなものが書けたら」と思っていたという。家族の反響について、母親からメールが来たものの「『花火面白かったよ』って・・・まずタイトルを間違えていました」と明かし、阿川を笑わせた。

 又吉は「『お笑いが好き』っていうことと『本が好き』っていうことは感覚が似ている」といい、「芸人は面白い人がいるし、作家も面白くて格好いい人がいる」と憧れていたという。阿川から「もしお笑い芸人か、小説家のどちらかを選ばなくてはいけないとしたら?」と尋ねられ「お笑い芸人でしょうね」と即答。「一緒なんですけどね、僕からしたら(芸人も小説家も)人を楽しますことなんですけどね・・・(でも作家だと)ライブができないのはキツイ」と説明した。

 今後の創作活動について、「とりあえず書いていこうかな」と思っているという。「『2作目はどうや?』とよく聞かれるが、僕の耳には“呪い”のように聞こえる」、「『1作目は芸人だから芸人の話を書けたけど、2作目はスベるんでしょう』と僕の耳には聞こえる」と笑わせつつ、「“5作は書く”ことを決めている」と明かした。「書くことが好きなので、ネタを書くことも文章を書くことも」と、お笑い芸人と作家の両立に前向きな姿勢を見せた。