先日行われた2015MTVビデオ・ミュージック・アワード(VMA)で大統領選に出馬すると発言し話題を集めた、ラッパーのカニエ・ウェスト(38)。彼が話題を集めたのはこれが初めてではなく、過去にもさまざまな発言をして世間を騒がせていた。

 しかし、問題発言が多い割に、なぜだか彼を支持する声も多い。今回は、世間が彼に注目せざるをえない理由を解説。

 破天荒な発言をするセレブは他にもたくさんいる。それでもカニエに注目が集まるのは、本人はいたってまじめなため。例えば前述の出馬発言を見てみると、音楽の祭典で「大統領選に出馬する」と宣言するのは明らかにおかしいが、言っていることは「子供たちを洗脳するのはやめよう。彼らに自分たちのために立ち上がれって教えよう!」とまじめ。そのため、このスピーチがジョークかどうかという点でも世間を惑わせている。過去には「俺は音楽界でナンバーワンの人間だ。だから、他に生きている人は、どんな人もナンバー2ってことだな」といった強気な発言をしており、彼の楽曲には「I Am a God(俺は神だ)」といった、まともにとらえれば波紋を呼ぶ歌詞も含まれている。

 また、カニエが問題を起こしてきた歴史は長い。2009年には歌手のテイラー・スウィフトがMTVで賞を受賞した際、彼女のスピーチをさえぎり、「ビヨンセのビデオがいつだって1番素晴らしい」と発言し、全米中からブーイングを浴びた。この一件でさすがにこりただろうと思われていたが、今年のグラミー賞でも最優秀アルバム賞を受賞したベックにのステージに上がり、何も言わずに立ち去るという事件が起こった。「ベックは芸術性をリスペクトするべきで、彼はビヨンセに賞を渡すべきだった」というのがカニエの主張だったよう。

 だが、カニエに才能があることには疑う余地がない。レストラン経営やファッションラインを展開し、次々とビジネスを始めている。もともとプロデューサーとして活躍していたカニエは、さまざまなアーティストをヒットさせている。これまでに発売した自身のアルバム6枚も全米で1位を獲得。批評家からも高い評価を受けている。

 天才なのか、問題児なのか、誰にも判断できないカニエ・ウェスト。批判されることも多いが、まっすぐな意見を言い続けているところは好感度が高い。見ていて危なっかしいが、だからこそ注目してしまうのかもしれない。【ハリウッドニュース編集部】