女優川島なお美(かわしま・なおみ)さんが亡くなる前日、自身のブログに「遺言」を残していた。23日のブログに「お詫び」と題し、署名入りで記した。

 「このたびはミュージカル『クリスマス・キャロル』を自身の体調不良のためやむを得ず降板せざるをえない状況になりました。誠に申し訳ございません」との書き出しで始まる。そして「公演を楽しみにして頂いておりましたお客様にも、本当に申し訳ありません」とおわびした。

 続いて、舞台の共演者へメッセージを送っている。

 「麻世くんへ、フットルース以来またご一緒できると楽しみにしていたのにごめんなさい」

 「吉田要士くん。一番の戦友のあなたと今回はご一緒できず悲しいけど、また一緒にやろうね!」

 「皆さまへ。今は早く復帰したい一心ですが、完璧に元気になって女優に復帰できるよう当面は治療に専念させていただくことになりました」

 そして代役への感謝の文もつづった。「私は降板させて頂く事になりましたが、代役として、同じ事務所の渡辺めぐみさんが急なことにもかかわらず引き受けてくださることになったと伺いました。(中略)出演を引き受けるまで、相当な葛藤と不安を抱かれた中での決断だったとのこと。感謝いたします。じゅうぶんなキャリアだけでなく同年代で私のことも理解していただけるめぐみさんにやっていただけるのであれば安心です。初演、再演と、二年間で私が演じ積み上げてきたこの三役の魂をすべて彼女にお預けしたいと思います。必ずや今公演を大成功へと導いていただけると確信しております」

 最後には降板した舞台への感謝と公演情報を記した。

 「このような事態にもかかわらず公演を実施していただけること、ただただ各主催者様のご配慮に感謝するばかりでございます。(中略)この公演が拍手喝采の中、無事に全国24都市、全28公演の千秋楽を迎えることが私の一番の望みでございます。皆さま、どうかお力添えいただけますように。何卒よろしくお願いいたします」

 川島さんは24日午後7時55分に息を引き取った。ブログへの書き込みは23日午後2時24分で、亡くなる29時間31分前のメッセージだった。(ブログ内容は原文)