女優仲間由紀恵(35)の主演舞台「放浪記」(東京公演来月10日まで)初日公演が14日、東京・日比谷シアタークリエで行われた。

 国民栄誉賞の女優森光子さん(享年92)が2017回演じた名作舞台。仲間もカーテンコールに応えた。

 「放浪記」は、作家林芙美子の半生を描いた菊田一夫作品で、1961年の初演以来、森さんのライフワークだった。劇中では、木賃宿で作品の掲載を喜ぶ芙美子が見せる「でんぐり返し」が有名なシーンだが、仲間は「側転」を取り入れた。勢いよく回転すると、会場からも驚きの声が上がった。

 「私なりの林芙美子像をちょっとずつ作ってきました。喜びを爆発させるシーンで、私なりのアイデアを出させて、いろいろ試させていただいて、1つの道を見つけることができました。大きく見えるので、喜びの大きさが一番伝わると思いました」

 約6年4カ月ぶりに復活する名作への重圧もある。それでも、森さんへの思いも新たにしたようで「私たちの新しい『放浪記』を森さんにも楽しんでいただきたいという気持ちでやってきました。大先輩を超えることはできませんが、少しでも近づけるように最後まで演じていきたいと思いますので、ぜひ見守ってください」と話した。

 同公演は、森さんの命日でもある来月10日まで東京公演が行われた後、大阪・新歌舞伎座(来月21~12月9日)、名古屋・中日劇場(12月18~25日)、福岡・博多座(来年1月7~31日)で、105回行われる。

 ほか、若村麻由美(48)永井大(37)窪塚俊介(33)福田沙紀(25)らが出演する。