ものづくりの魅力を若い世代に発信するため、実際に町工場でイキイキと働く若者の姿を集めた写真集「ゲンバ男子」(12日発売=幻冬舎)出版を記念して18日、大阪市内で発表会見が行われ、お笑いコンビ「モンスターエンジン」の西森洋一(36)がゲストで登場した。

 実家が東大阪で鉄工所を営むという自称・町工場芸人の西森は作業着で登場、「におう? タービン油が染み付いているねん。でも親父は何も着ていないのに油のにおいがしてた」と笑わせた。大阪府住みます芸人の「span!」に写真集の印象を聞かれると、「僕は中学くらいから工場を手伝っていたのでキャリアは長いんですが、(自身が)現役の頃に出版して欲しかった。(家業は)大変なこと多いし僕は継がへんと思った。今はイケメンが多いな」と被写体のかっこよさに感心していた。

 「ゲンバ男子」は町工場でイキイキと働く若者の力を借りて、業界全体でイメージアップを図るPRプロジェクト。深刻化する若年層の採用難という製造業全体の課題を背景に13年に大阪産業創造館が仕掛けた。現在、全国各地でも「ゲンバ男子」の取組みが拡大している。

 写真集は大阪府下の製造業に勤務する若手社員40人を中心に掲載。編集長を務めた同館の山野千枝氏は「若い人にものづくりの現場を知って欲しいが、今までのやり方では情報が届かない。町工場でイキイキと働く彼らのリアルな姿だからこそ伝えられることがあるのでは。写真集発刊がゲンバ男子の認知拡大へ弾みになれば」と意図を明かした。過去に「メガネ男子」や「佐川男子」などが話題を呼んだが、編集を担当した幻冬舎の有馬大樹氏は「目標は1万部と言わず(大ヒットとされる)5万部を狙います」と笑顔を見せた。なお、写真集には「ゲンバ女子」も2人掲載している。