結成15年以内のコンビで争われる漫才日本一決定戦「M-1グランプリ」決勝が6日、東京・六本木のテレビ朝日で行われ、敗者復活から勝ち上がったトレンディエンジェルが優勝した。大会は5年ぶりの復活で通算11回目。3472組の頂点に立った斎藤司(36)たかし(29)の2人には賞金1000万円が贈られた。敗者復活からの優勝は、07年のサンドウィッチマン以来2度目。

 準決勝敗退の屈辱をばねに栄冠を勝ち取った。11月19日の準決勝で11位に終わっていた。「本当に悔しい思いをした」という斎藤は普段は口にしないアルコールを飲んだ。梅酒ソーダ2杯で泥酔。「来年は出ない」と荒れたが、気持ちを切り替え、怒りを胸にこの日を迎えた。準決勝敗退20組で争われた敗者復活が決勝前に行われ、得意のハゲネタをベースに大学ネタを披露。斎藤が「慶応大学」を「毛多い大学」とボケツッコミするなどして爆笑を誘った。生放送を見た視聴者による投票で1位を獲得して念願の決勝へ進んだ。

 決勝進出発表からわずか2分後には会場のテレビ朝日のスタジオに移動。ハゲネタをベースに「斎藤さんだぞ」と得意のフレーズを、ハロウィーン、クリスマスネタにぶち込み決勝1回戦を2位通過。最終決戦では、銀シャリの2票、ジャルジャルの1票を圧倒する6票を獲得して王者となった。

 04年のコンビ結成から11年。笑いの根底に日刊スポーツがあった。斎藤は「ネタ作りに困ると、相方が10年来愛読する日刊スポーツの時事ネタを読み込み、ネタにする。日刊さんに救われました」。たかしは「普段通うメイド喫茶の常連さん仲間とメイドさんと、この喜びを分かち合いたい」とおどけて笑わせた。【小谷野俊哉】

 ◆トレンディエンジェル 斎藤司(さいとう・つかさ)1979年(昭54)2月15日、横浜市生まれ。たかし(本名・須藤敬志=すどう・たかし)1986年(昭61)1月30日、東京都生まれ。ともにNSC(吉本総合芸能学院)東京校10期生で04年にコンビ結成。斎藤がボケ担当で、たかしがツッコミ担当。「M-1グランプリ」は09年に準決勝に初進出したが、10年は準々決勝で敗退。昨年の「THE MANZAI」で準優勝。