生稲晃子(48)が17日、都内で著書「右胸にありがとう そしてさようなら」出版記念講演会を行った。講演会前に取材に応じた。

 11年に乳がんを発症し、2度の再発など、昨年10月まで5度の手術による乳房の全摘出と再建を行っていた経験を中心に1冊にまとめた。再建手術が終了するまで、がんであることも公表していなかったが、「家族の存在が大きかった。子どもが成人するまでは、死んでたまるかという思いでした。公表を控えて仕事をしていたことが、私にとっては良かったのかもしれません」。現在も、再発を抑制する薬の影響で、急にあつくなって汗をかきやすくなるなど、副作用とも戦っている。

 それでも昨年11月に公表した後は「自分も楽になれました」という。公表に踏み切ったのも、同じ病に苦しむ人を、少しでも楽にさせたかった。「公表前までは、同じ状況の方のブログなどを読んで励まされてきました。今度は自分が恩返しする番だと思いました。みんな1人じゃない。どこかの1行でも読み取って、少しでも楽になってくれたらうれしいです」と話した。

 この日の講演会には、約300人が訪れ、生稲の体験談に耳を傾けていた。