4月に薬物の過剰摂取で急死した歌手プリンスさんが遺書を残していたと、プリンスさんと親しかった友人が米誌に初めて明かした。

 プリンスさんは今月初め、主に麻酔や鎮痛に使用されるフェンタニルの過剰摂取による事故で死亡したとの検死結果が発表された。

 プリンスさんは生前、遺書を残していなかったと報じられていたが、友人が米インタッチ・ウィークリー誌最新号に明かしたところによると、死因を調べていた警察がプリンスさんの自宅兼レコーディングスタジオを家宅捜査する前に、プリンスさんの関係者が身の回り品を調べた際、遺書と見られる手書きのメモを発見したという。

 遺書には、「痛みを止める何かが必要だ。たとえそれが、すべてを終わらせることを意味していたとしても。逝く時が来た。こんなに早く去るつもりはなかった。今、去るつもりはなかった。Love, Love, Love」と書かれていたという。

 友人は、「痛みに苦しんでいた彼は、鎮痛薬を使用し続けることで、間もなく死ぬ時が来ると覚悟していたのだと思う」と語っている。遺書を発見した人物は家族あるいは友人の一人と見られるが、プライバシーを重んじていたプリンスさんが公にすることを望んでいないことをよく知っていたため、公開されることはなかったという。

 友人は、「心が痛む最期の言葉だが、彼はあまりにも病んでいて、生きることに疲れていた。自分が知る限り、プリンスは薬物の過剰摂取による事故で死んだのではない。彼は長い間、やがて自分の命を断つことになるという思いを抱き続けていたのだと思う」と語っている。(ニューヨーク=鹿目直子)